野村アセットマネジメントUKリミテッドのシニア・ポートフォリオ・マネージャーである浦山大輔氏に、同社が提供しているグローバル株式アクティブ運用「Global Quality Select戦略」について聞いた。(取材日:2019年7月31日)

浦山大輔氏
野村アセットマネジメントUKリミテッド
シニア・ポートフォリオ・マネージャー
浦山 大輔

どんな戦略か。

浦山 コンセプトは、景気変動の波に左右されず長期的に安定的な超過リターンを目指す戦略だ。先進各国の優良企業で、高い収益性を持続できると考えられるクオリティ銘柄のうち、割安な銘柄に厳選して投資する。

当戦略は、企業のクオリティを選別の主軸とする結果、グロース/バリューのスタイルに偏らず、バランスのよいポートフォリオとなっている。こうしたポートフォリオは、とくに昨今の不透明な景気環境や景気成熟期では、下値抵抗力を発揮することで、超過リターンが出やすい戦略といえるだろう。

当戦略は、20年を超えて日本の個人投資家や確定拠出年金向けに提供してきた運用実績があり、平均年率の2~3%という安定的な超過収益率を達成している。長年にわたるトラックレコードと特徴ある商品コンセプトが機関投資家のニーズに合致すると考え、2019年6月から機関投資家向けに商品提供を開始した。

銘柄選択の特徴は。

浦山 ベンチマークを構成する先進国株式約1600銘柄から企業の株主還元姿勢をベースとした定量スクリーニングで約500銘柄まで絞り込む。

そして、14人で構成される当社の運用チームによるファンダメンタルズ分析を通して、投資候補を約200銘柄まで絞り込んだうえでポートフォリオ構築を行う。チーム主体の運用により、特定のポートフォリオマネジャーに依存しない安定的な長期運用の仕組みを実現している。

いま注目している銘柄セクターは。

浦山 足元ではヘルスケアセクターだ。米国の医療制度問題や先進国の長寿化もあり、世界的に医療コスト削減への動きが顕著だ。多くのヘルスケア企業は、コスト削減に貢献するサービスや新薬開発を行っており、特に予防医療の進展に期待している。

情報技術セクターも引き続き順調と見ている。近年、製品やサービスを一定期間利用できる権利にお金を支払う「サブスクリプション」がビジネスモデルとして広がりを支えていることが背景の一つといえる。

例えば、収益の大半がハードウェアである米国のアップルは、アプリ販売や音楽ストリーミング、決済サービスなどハードウェアに付随するサービスを新たに提供することで、より安定的な収益確保を目指している点を評価している。