オービス・インベストメンツ 金利上昇を契機にバリュー相場が再来か。三井住友FG、INPEX、住友 電工、三菱商事など割安株に従前から大きく投資
2022年1月11日、メディア各社向けラウンドテーブルに登壇したオービス・インベストメンツ 日本法人代表取締役社長の時国司氏は、割安株投資の展望と同社の戦略について語った。
時国氏は、「バリュー投資とグロース銘柄、そして割安株と割高株との間のバリュエーションスプレッドが過去40年間で最大の水準にまで拡大している。したがって、割安銘柄を見つけやすい環境にある」とした。
一方、割安株への投資は「言うは易く行うは難し」というきらいがある。時国氏は、オービス・インベストメンツが半世紀近く割安株投資で高いリターンを実現してきたポイントは、組織哲学だと語る。高い分析力だけでは十分ではなく、組織原理の次元で工夫を凝らすことが必要だとし、同社では50~60年まで遡って企業価値を分析したり、独自の運用報酬体系(例:基本報酬ゼロ。超過収益の一部を報酬として徴収するが、超過収益がマイナスになった場合には払い戻す)で投資家との利害一致を図ったりしているという。
時国氏は環境変化にも言及。「インフレ率や金利上昇の兆候を鑑みると、今度はバリュー投資をはじめとする割安株がアウトパフォームする可能性が高いと考える。当社では、三井住友フィナンシャルグループ(堅固なファンダメンタルズを有する一方で、PBR0.5xで取引されており、配当イールドも約5%と魅力的)やINPEX、住友電工、三菱商事などに大きく投資している」とした。