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マクロ経済 米国労働市場が引き締まり、Fedはインフレを一時的とみなさず
労働市場に労働者が戻らない
現在の米国のインフレ率は高いが、サプライチェーンのボトルネックは徐々に緩和し、供給制約によるエネルギー価格の上昇もやや抑制されている。これらがインフレ率上昇の主因であれば、インフレ率の上昇を一時的とみなせる。一方で、景気の拡大が続いているうちに新型コロナウイルスショックの発生時に労働市場から退出した人達が戻ってくるのであれば、完全雇用の達成には時間がかかることになる。
しかし、Fed(米連邦準備制度)のインフレと雇用に対する見方は2021年12月に急速に変化した。テーパリングを加速して早期利上げの選択肢を手に入れ、インフレ率の議論から一時的との文言を削除。完全雇用の達成が利上げの最後の条件とした。こうした点は、労働市場に潜む供給制約により、労働需給が2022年もひっ迫する可能性が高い点に着目すると、理解が容易になる。
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