前回のドル高ピークは利上げ半年前

内田 稔氏
三菱UFJ銀行
グローバルマーケット
リサーチ
チーフアナリスト
内田 稔氏

FRB(米連邦準備理事会)は、2021年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)でテーパリングペースの加速を決定した。ドットチャートの中央値も2022年に関して3回の利上げを示唆。同年6月に利上げが始まる公算が大きい。このため、市場は日米金利差の拡大を背景に2022年のドル円が上昇するとの見方を強めている。

ここで、FRBが金融危機後、初の利上げに踏み切った前回の金融政策の正常化局面を振り返っておこう。2015年12月当時もFRBの利上げを受け、多くの市場参加者が2016年のドル円が上昇すると予想していた。しかし、実際には利上げ開始の半年前に125円台でピークアウトしたドル円はその後、乱高下しながら低下。9度目の利上げが行われた2018年12月にかけ、ドル円は約10円も下落していた(図表)。

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