パウエルFRB議長が年内テーパリング示唆も、長期金利は低位
米長期金利が不気味なほど低位で推移している。米10年国債利回りは2021年1月のバイデン政権誕生とともに大幅上昇し、同年3月には一時1.8%に迫った。しかし、2021年8月27日にジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長が「年内のテーパリング(資産購入の縮小)開始が適切」と発言したにもかかわらず、米10年国債利回りは1.3%前後で推移している。
債券市場参加者の意識の大半は最早テーパリングにはなく、利上げ時期に移っているのは否めない。2021年6月16日に公表されたFOMC(連邦公開市場委員会)メンバーのFF金利予想、いわゆる「ドット・チャート」が最初の利上げタイミングの2023年への前倒しを示した。ワクチン接種開始や治療薬開発進展に伴い、パンデミックへの緊急対応策が縮小・停止へ向かうのは自然の流れだろう。テーパリング開始が年内から先送りされたとしても数カ月にとどまる可能性が高く、その次のアクションとしては利上げが意識される。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。