混とんとする米国債務上限問題
米議会の2019年債務上限停止が2021年7月末に期限切れとなったが、いまだ解決策の発表に至っていない。すでに、債務とこれまで設定してきた規定の債務水準には大幅な乖離が見られ、一刻も早い解決が待たれる(図表1)。
現在、財務省は債務返済を特例措置に頼っている状況にある。手持ち資金が枯渇するいわゆるXデーまでそれが続く。2021年6月、イエレン財務長官はその日が2021年8月終盤にも訪れる可能性を警告していた。CBO(議会予算局)の2021年7月の試算では、そのタイミングは2021年10月か2021年11月である。
議会が債務上限に対処する方法は、より高い水準に設定し直すか、再び一定期間運用を停止するか、である。また、そうした決定のためには、①上院で60票を必要とする通常の採決か、②上院で50票の賛成で済む財政調整措置を用いるか、の大まかにこの2つのどちらかが必要だ。現段階では共和党の10票以上の賛成を必要とする通常の採決を狙っており、審議の行方は混とんとしている。
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