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為替 「財政ドミナンス」に舵を切る米国。インフレと貿易収支悪化でドル安へ
ドル円は再度下値を試す展開か
ドル円は2021年1~3月期の反発で110円台に乗せた。年末年始の時点で我々は同時期に106~107円台への反発との見方を示していたが、それを大きく上回るドル高円安が進行し、同年後半には100円に迫るドル円下落になるという我々の中期シナリオにはイエローランプが点灯している。
原油・資源高の中、インフレへの警戒感で進んだ米金利上昇が全般的な米ドル高を演出したが、ユーロドルはこれほどの米金利上昇が生じたにもかかわらず、2020年春以降の上げ幅38.2%押し(1.17ドル前後)しか達成しなかった。ドル円だけを見ていると全体感を見誤るが、2021年1~3月の米ドル高の中で我々が感じなければならなかったことは、米ドルの値動きの弱さである。
本稿で示す通り、これは米国の金融財政政策などマクロ政策を考慮すれば自然なことだと思われ、米ドルが新型コロナウイルス危機が起こった2020年以降、長期的な下落トレンドに入ったとの我々の見方とも整合的だと考える。ドル円も全体的な米ドル安に伴って、もう一度、下値を試す可能性が高いとの見方を維持している。
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