松谷 博司
一般社団法人 投資信託協会
会長
松谷 博司

振り返ると、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により社会全体が混乱し、経済も大きく落ち込むなど厳しい1年であった。それでも社会・経済を再生するための様々な施策が実施されてきており、コロナ終息後には経済の再拡大につながることを期待する。

さて、当会では広く資産形成を普及・促進するための活動を推進してきており、コロナ禍においても投資を続けることが重要であるとのメッセージを「継続は力なり!Staythecourse!」と題し、当会のYouTubeチャンネルを通じて発信してきた。また、一般の方々や事業会社の福利厚生担当者の方々に向けたセミナーなどをオンライン形式で配信する取り組みも積極化している。動画閲覧状況やオンラインセミナー参加動向などから一定の手ごたえを掴つかんではいるが、さらなる工夫の余地は大きいとも考えている。会員各社の協力も仰ぎながら、より多くの方々に資産形成に向けた一歩を踏み出していただけるよう積極的な情報発信を進めていきたい。

2020年11月16日に資産運用業界として初の取り組みとなる、投資信託協会および投資顧問業協会の共催による「資産運用業フォーラム」を開催し、資産運用会社の「社会的使命」と、それを達成するための「目指すべき姿」を経営トップ自らがディスカッションするとともに、「資産運用業宣言2020」を公表した。この宣言文のスローガンが標題の“投資は未来を創るもの,InvestforaBrighterFuture”である。

これまで官民を挙げて資産形成促進のための制度整備、金融教育支援活動を続けてきた成果もあり、着実に資産形成の取り組みが進んでいるが、よりスピード感もって進め、資産形成がライフスタイルとして根付くには、投資は楽しいもの、より良い社会を創るものであることを知っていただくことが重要であると常々考えている。投資を行なうことが、わたしたちの暮らす社会・経済全体の輝かしい未来“BrighterFuture”に繋がるというメッセージを人でも多くの方々に届けていきたい。

そんな明るい未来社会を創り、資産形成のお手伝いをするのが、我々資産運用業の社会的役割である。皆様から大切な資金を託されたことを深く自覚し、一人ひとりがその責任と矜持を胸に、常に研鑚を積み、スピード感をもって変革に挑む、真のプロフェッショナル集団であり続けることを目指してまいりたい。