J-MONEYでは、2012年のベストディールとして「ディール・オブ・ザ・イヤー」を決定した。金額規模や執行業務の鮮やかさ、資本市場に与えた影響、執行後のパフォーマンスといった点を基準に選ばれた各ベストディールを紹介する。
(J-MONEY編集部 ※ディールロジックのデータをもとに編集部作成)
M&A部門
ベストM&Aディール(OUT-IN)
マイクロン・テクノロジーによるエルピーダメモリ買収
コンピュータの記憶装置に使われる半導体であるDRAM。技術革新が急激に進むこの分野で業界再編を伴う画期的な案件となったのが、マイクロン・テクノロジーによるエルピーダメモリの買収だ。
発表は2012年2月27日。マイクロンがスポンサーとなり、会社更生手続き中のエルピーダメモリを取得・支援することに合意した。総支援額は約25億ドルとなっており、内訳は、エルピーダメモリの発行済株式100%の取得対価としてスポンサー契約の実行時に支払われる現金が約7.5億ドル。残りの約17.5億ドルは、マイクロンの完全子会社となるエルピーダメモリが今後創出するキャッシュフローを原資として、2019年までに毎年分割で支払われることになっている。
このスポンサー契約に関連してマイクロンは、パワーチップ・テクノロジー社との別途の合意により、パワーチップが保有するレックスチップ・エレクトロニクス社の株式を取得することも併せて発表した。エルピーダメモリの資産に含まれる株式も併せると、レックスチップの株式を約89%保有することになる。これによりマイクロンは、自前で事業拡大する場合の3分の1のコストで、グローバルの生産能力を約50%増強することに成功した。
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