学校法人・金融法人の担当者必見! 機関投資家ゼロからの資産運用 【もっと知りたい!債券】第8回 今さら聞けない「アンコンストレインド」〜ベンチマークから離れる利点の一方、運用者依存のリスクも
【もっと知りたい!債券】シリーズも大詰めに近づいてきました。第8回の今回は「アンコンストレインド」を採り上げます。運用者の自由裁量の余地が大きく、リターンもリスクもそれなりに高い債券戦略の中での「変化球」――といったところが私の認識ですが、詳しく説明せよと言われると困ります。ラッセル・インベストメントの金武伸治さんにじっくり解説していただきます。
市場インデックスを意識せず運用
そもそも「アンコンストレインド」という用語自体が難解です。
金武 思い切り基礎から説明しますよ。
アンコンストレインドは英語で、つづりは「unconstrained」です。「constrain」は「制約」という意味ですので、「constrained」で「制約が多い」・「制約される」ということになります。そして否定の「un」が付いていますので、「制約が少ない」・「制約されない」という意味になるのです。
では何の制約がないのでしょうか?
それはベンチマークからの制約です。債券アンコンストレインド運用とは「ベンチマークを意識しない運用」ということになります。例えば市場インデックスで示されるような市場全体の平均デュレーション(金利感応度)や平均利回り、債券種別構成や格付構成、また業種構成などを意識しない運用ということになります。
そもそもインデックス自体には課題も
通常の株式や債券の運用では、ベンチマークに対する「勝ち負け」つまり超過収益の有無がファンドの優劣の判断材料になっていますよね。そうした中で、このベンチマークを意識しない意義とは何ですか。
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