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マクロ経済 不安定な政治環境の下で為替に翻弄される政府・日銀
利上げに向けた2つのガイダンス
日銀は、2024年3月にマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロールを解除し、7月には政策金利を0.25%へと引き上げた。実質政策金利は低過ぎるとの認識の下で、日銀は経済・物価情勢が見通し通りに展開していれば段階的に利上げを続ける方針だ。
政治との関わりでは、大企業よりも家計の利益を重視し、過度な円安を回避しようとしていた岸田文雄前政権とは、漸進的な金融正常化の必要性が共有されていた。そのため、過去の利上げ局面と比べると日銀は動きやすかったと思われる。
しかし、石破茂新首相の金融政策スタンスには一貫性がないばかりか、10月の総選挙で自民党・公明党の与党は過半数さえも確保できなかった。かつ米国ではトランプ大統領が誕生した。不安定な内外政治環境の下で、日銀は正常化を進めていけるのだろうか?
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