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勝っても負けてもトランプリスク
トランプ氏は敗北を受け入れない可能性を示唆
米民主党ハリス大統領候補の快進撃が続いている。バイデン大統領が大統領選挙戦から離脱する前は、民主党は支持率調査で共和党のトランプ候補にリードを許していたが、後任のハリス氏は一気に支持率を高め、1カ月足らずのうちに支持率でトランプ氏と拮抗する状況に至っている(図表)。
現状では、11月の大統領選挙でどちらが勝利を収めるかは明かではないが、広範囲かつ大幅な追加関税を掲げるトランプ氏が勝利すれば、経済に悪影響が及ぶことなどから、金融市場はトランプ氏の勝利をリスクと捉えているだろう。
しかし一方で、トランプ氏が選挙に負けても、金融市場には懸念が残る。トランプ氏が前回2020年の選挙と同様に負けを認めず、政治的な空白が生じる可能性があるためだ。
バイデン米大統領は8月7日のCBSのインタビューで、11月の大統領選後に平和的な権限移譲が行われるかどうかについて、「トランプ氏が敗北した場合は、全く確信を持てない」と強い懸念を示した。
トランプ氏は、「われわれが負ければ流血の事態が起きる」、「また選挙が盗まれたことになる」などと発言している。2020年の前回の大統領選では、敗北したトランプ氏が結果を受け入れず、それが支持者らによる連邦議会襲撃事件につながった、とも考えられている。
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