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金 最高値更新を再びうかがう現在の金価格はバブルか?
弱まる価格圧迫要因
2024年3月に入り、FRB(米連邦準備理事会)が利下げに転じるタイミングが近いという思惑が広がり、金価格は急上昇し、4月には史上最高値となる2400ドル超えを記録した。現在、1オンスあたり2300ドル台前半で推移している。これに伴い、円ベースの金価格も初めて1グラムあたり1万3000円(消費税込み)を超えた。
2024年後半は、金市場を圧迫するマクロ要因である金利・ドル高が反転する見通しであることに加え、堅調な需要が価格形成に与える影響度が増しているため、金価格は底堅い相場展開を見せながら、最高値の更新を再びうかがう可能性があるとみる。
2023年春から実施されたFRBによる急速な利上げがマイナスの影響を与えているものの、地政学リスクの上昇、マクロ環境の不確実性の増幅、インフレの高止まりなどがサポート要因となり、金価格をじわじわ押し上げてきた。
ここに来て、こうしたプラス要因に大きな変化が生じていない一方、FRBは経済活動の後退を懸念してやがて利下げに向かう可能性が高い。それに伴い、ここ数年の構造的なドル高傾向も弱まると思われる。キャッシュフローを生まず、ドルと逆相関の関係にある金にとって、逆風が和らぐ環境となる。
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