来週を考える|The Week Ahead 高揚する株式市場2024年4月5日(金)配信号
資本市場参加者は3月、明らかに高揚していました。S&P 500種株価指数、日経平均、ユーロ・ストックス、DAXはいずれも、過去最高を更新するか、少なくとも過去最高の水準を維持しました。ビットコインと金の価格も上昇しました。欧州中央銀行(ECB)とカンザスシティー、セントルイス両連邦準備銀行がまとめた金融ストレス指数は、低下を続けました。センティックスが示す投資家のセンチメントも好調です。ドイツの投資家だけは、やや慎重な姿勢を崩していないようですが、その心理は向上しています。実際、S&P 500種株価指数の株価収益率(PER)とVIX指数(リスクの指標となる)との関係を見ると、過度な楽観の気配が感じられます。市場参加者は、ほぼリスクを織り込んでいません。
同時に、今年に入ってから経済ニュースが予想外に好調で主要中央銀行のコミュニケーションに微妙な変化が見られることを受け、金融市場はそれまでのスタンスの見直しを迫られています。コンセンサスでは引き続き世界経済の堅調な成長とインフレの減速が見込まれる中、米連邦準備制度理事会(FRB)とECBの利下げ期待に変化が生じ、現在は弊社の予想に近づきつつあります。FRBは、今後の見通しについていくつかの手がかりを提供しています。連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り年内に3回利下げを実施する可能性が高い一方、確実にそうなるとはまだ言えない状況です。
一方で、直近の経済指標は、安定した成長トレンドが続く確率が高まっていることを示唆しています。したがって、リセッション入りは当面ないように思われます。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。