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知りたい!隣の企業年金・第21回 アイシン企業年金基金──「製造業のDB」強く意識〜一貫してIT担当、実物資産投資に知見活用
自動車部品製造を中核とした大手メーカー、株式会社アイシン。その企業年金基金を愛知県安城市に訪ねました。愛知県は製造業の一大集積地。アイシン企業年金基金の角谷浩志(すみや・ひろし)常務理事・運用執行理事は「製造現場を担う従業員たちに老後の不安なく働いてもらいたい。そのためにもDB(確定給付型企業年金)の存在は極めて重要です」と強調します。「モノづくり」を支える「虎の子」資産を大事に運用する考え方や工夫を伺いました。
グループ40社で構成する連合型
「アイシン企業年金基金」という単独の名称ですが、実際は連合型なのですね。
角谷 そうです。グループ40社で構成しています。少々、母体の説明をさせてもらうことになります。愛知工業と新川工業が1965年に合併して前身の「アイシン精機」が発足しました。「愛」と「新」が社名の由来です。その後も関係会社との経営統合が進んだのですが、一貫して各社独自の技術や製品を大事にする「グループ思考」あるいは「グループ経営」がアイシンの特徴となっています。同様に企業年金基金もあえて「アイシングループ企業年金基金」と名乗らず、今日まで「アイシン企業年金基金」で通してきました。
アイシン企業年金基金の概要
- 所在地/愛知県安城市三河安城東町
- 資産総額/2,511億円
- 加入者数:58,384人
- 受給者数:10,114人
- 予定利率:+2.00%
- 期待運用収益率:+2.69%
(いずれも2023年3月31日末) - 過去3か年の収益率
- 2020年度
- +11.20%
- 2021年度
- + 1.98%
- 2022年度
- ▲1.47%
インフラや不動産に早くから投資
まずアイシン企業年金基金の資産運用の特徴から伺いましょうか。
角谷 十数年前から不動産やインフラといった実物資産への投資を行ってきました。企業年金としては早い方かなと思います。
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