引き続き市場の先行きに不透明感が存在する中、市場の方向感に依らずに収益を創出し続ける有望な銘柄を厳選し、投資を行うことが安定運用のカギとなっている。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)が提供する『グローバル・フランチャイズ運用戦略』は、まさにそうした運用のお手本と言える。同戦略の投資プロセスについて、来日した運用チームのポートフォリオ・マネジャーに話を聞いた。

元本毀損を最大限避ける運用哲学に基づく銘柄選別

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント マネージング・ディレクター ブルーノ ポールソン氏
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント
マネージング・ディレクター
ブルーノ ポールソン

『グローバル・フランチャイズ運用戦略』の概要について教えてください。
ポールソン 当戦略は、ボトムアップ・アプローチにより、クオリティが高く企業運営が良好な企業の株式に合理的な価格で投資することを目的とした、アクティブ運用戦略だ。

「バリュー投資の父」と呼ばれる米国の伝説的な投資家 ベンジャミン・グレアム氏が残した「第1のルール:元本を失うな。第2のルール:第1のルールを忘れるな」という投資格言の通り、元本を毀損させるリスクを避けることを最重要視して、運用を行っていることが大きな特徴となっている。

具体的に言えば、株価が下落する次の2つのパターンを避けることを最大限に意識している。まず1つ目は、「投資先銘柄のバリュエーションの調整」。いわゆる、PERの下落によって株価が調整されるシナリオ。そして2つ目が、利益を損なうことによって株価が下落してしまうシナリオになる。なお当戦略では利益をEPS(1株当たり純利益)で測っている。

どのような企業が投資先候補になるのか。
ポールソン 先ほど述べた株価下落の2つ目のパターンを避けられるとして我々がまず注目するのが、その企業が“有力で複製困難な無形資産” を競争力に持ち、フランチャイズ(優位性)を発揮できるかどうかというポイントだ。

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