アジア視点の企業調査と独自のエンゲージメント理論による投資先企業の「付加価値創出」を柱としたM&G Investmentsの『M&G日本株式戦略』が注目を集めている。M&G Investments アジアパシフィック株式運用共同統括 日本株ポートフォリオマネージャーのカール・ヴァイン氏、同インベストメント・ディレクターのサニー・ロモ氏、早稲田大学客員教授 M&G Investments Japanのコンサルタントであり副社長の柳良平氏の3人のキーマンに、同戦略のポイントを聞いた。

多様な企業との比較・検討で競争力や将来性を見極める

カール・ヴァイン氏
M&G Investments
アジアパシフィック株式運用共同統括
日本株ポートフォリオマネージャー
カール・ヴァイン

投資対象としての日本株をどうご覧になっていますか。

ヴァイン 日本の株式市場は収益拡大の方向へ順調に進んでいるといえるでしょう。様々なセクターの企業が、目の前の課題に真摯に取り組めば利益率の拡大や事業構造・戦略の最適化を図れます。マクロの強力な追い風がなくても、自社の工夫次第で持続的な成長の果実が得られる「自助努力の構造」は、投資対象として大変魅力的です。

加えて足元では、マクロの追い風も出現しています。日本では賃金水準が久しぶりに上向き始めました。賃金上昇トレンドに呼応する消費拡大で、今後数年間、日本経済が自立的な成長を遂げる期待が高まっているといえます。

日本株投資におけるM&Gの強みは。

ロモ 1931年設立のM&G Investmentsは、1971年から日本株を運用しており、英国初の日本小型株ファンドを提供したのも我々でした。現在の『M&G日本株式戦略』のファンドマネージャーであるカール・ヴァインは、日本株運用で25年の経験を有し、M&Gのアジア太平洋株式チームの共同責任者も務めています。会社全体と責任者の日本株に対する豊富な実績は、長期運用の実践で大きなアドバンテージといえるでしょう。

企業調査や銘柄選択ではどのような点を重視していますか。

ヴァイン キーワードの一つが「ファクターニュートラルのボトムアップ・アプローチ」です。時価総額、業種、地域などの枠をはめず、一つひとつの企業のリスク・プライシングを丁寧に分析することで、その企業が置かれている事業環境を広い視点から把握できます。

実際に、M&G Investmentsの投資ユニバースでは、様々なセクターの日本企業を250銘柄以上、日本以外のアジア企業を700銘柄以上リストアップしています。今や多くの日本企業が海外でビジネスを展開し、グローバル規模のサプライチェーンを構築しています。日本国内の同業間だけではなく、アジアのスタートアップを含めた多様な企業群と比較・検討することで、対象企業のビジネスモデルの真の競争力や将来性を見極められると考えます。

企業リサーチでは「リターン・オン・タイム(時間に対するリターン)」の概念を重要視しています。我々は投資ユニバースの作成において、過度のメンテナンス・リサーチが不要な企業を意図的に選んでいます。メンテナンス・リサーチが少ないということは、ノイズの多いデータポイントを追跡するのに必要な時間が少なくて済みます。リサーチにかけた時間とそれで得られたリターンの増減を常に意識し、運用の効率性の改善に努めています。

運用チームの人員を増やすなど、日本株への強いコミットメントを示しています。

ロモ アジア太平洋株式チームのメンバーは、過去3年間で7人から10人に増員しています。さらに2022年10月には、ヴァインのアドバイザーとして早稲田大学 客員教授の柳良平氏をM&G Investments Japanに招聘(しょうへい)しました。柳氏はESG(環境・社会・企業統治)とスチュワードシップ(受託者責任)の専門家であり、『M&G日本株式戦略』の運用チームは、投資プロフェッショナルの量・質のさらなる充実を図っています。

対話を通じて事業アイデアを提案し、実行をリードする

『M&G日本株式戦略』では、独自のエンゲージメント(対話)理論に基づくスチュワードシップに力を入れていると聞きます。

 我々の運用戦略の背景には「相手をリードしたいならば、まずは奉仕しなさい」という「サーヴァント・リーダーシップ」の哲学があります。運用チームでは投資先企業に対し、長期的視野のリサーチを通じて得た経営実態や事業環境に対する深い理解をベースにエンゲージメントを実施します。エンゲージメントでは、投資先企業に付加価値の創出が期待できる事業アイデアなどを積極的に提案し、それらが我々のリードの下で実行されることで、結果として『M&G日本株式戦略』の良好な投資パフォーマンスに貢献します。

■『M&G日本株式戦略』の特徴とエンゲージメントの事例

『M&G日本株式戦略』の特徴とエンゲージメントの事例

投資先企業と有意義な対話をするためにリサーチするわけですね。

 代表事例の一つがサンリオです。企業と信頼できる対話をし、「価値を付加する」立場に身を置くことは、自社の工夫次第で持続的な成長の果実が得られる日本企業への投資では重要なポイントといえるでしょう。

リスク管理についてはいかがでしょうか。

ヴァイン 我々は銘柄レベルとポートフォリオ構築レベルの双方で徹底したリスク管理を行っています。

前者については保有銘柄間の正の相関や、オーバーウエートとアンダーウエート間の負の相関を最小限に抑えることを意識します。後者のポートフォリオ構築に関しては、意図したリスクへのエクスポージャーの最大化、および意図しないリスクへのエクスポージャーの最小化を目指し、あらゆる相場環境でこれらの乖離を鋭意管理することを重視しています。

『M&G日本株式戦略』への投資の意義と、J-MONEY読者へのメッセージをお願いします。

ロモ 日本株市場それ自体が、優れた投資機会といえます。特に不確実なグローバル運用環境の中では、先進国市場の他の追随を許さないさらなる魅力を放っていると感じます。

 長期目線のリサーチにより「自助努力の構造」の初期段階にある企業を発見し、適切なエンゲージメントによってアルファを引き出す投資プロセスが重要といえるでしょう。

ヴァイン 日本株は、利益成長、配当利回り、配当性向、自社株買いなどにより、今後10年間は10%台後半のリターンを実現できると考えます。過去10年間、すでに2桁のリターンを達成していることを踏まえると、ふさわしい運用戦略を選択すれば十分に達成可能です。

20年以上にわたって日本企業に投資してきた我々は、この先のチャンスに大きな期待を寄せています。

CASE サンリオ

サンリオは、我々が幅広く関わってきた企業の一つです。ハローキティは、その歴史の中でミッキーマウスよりも多くの商品売上を記録しています。しかし、M&Gが2020年に投資したときのサンリオの時価総額はわずか10億米ドル程度でした。

我々はエンゲージメントを通じて、役員体制やアドバイザーの改善、テンセントへの紹介、最近ではNFT(非代替性トークン)戦略のアイデアなどを提案しました。これらは、我々の精緻な企業調査とサーヴァント・リーダーシップの哲学から生まれたものであり、他の運用会社が簡単に真似できるものではありません。

現在、同社は利益も収益も伸ばしています。これは、世界中で認知されている非常に価値のあるキャラクターIP(知的財産)ポートフォリオの価値を活性化した素晴らしい企業変革ストーリーといえるでしょう。(ヴァイン氏)

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