三井住友アセットマネジメントは2016年2月1日、NII(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所)と共同で「金融スマートデータ研究センター」を設立した。金融分野におけるビッグデータの処理・分析により、新たな価値や有益な知識を生み出す「金融スマートデータ」の研究に取り組む。

がっちり握手をする三井住友アセットマネジメントの横山氏と、NIIの喜連川氏 

同センターでは、金融スマートデータの共同研究により、経済・社会現象の統計分析やモデル構築による金融分野での精度の高い未来予測の実現と、膨大な金融関連情報を自然言語処理などで解析・抽出する技術の確立を目指す。共同研究期間は2019年3月末まで。共同研究による成果は原則公開する考えだ。

また、同センターは民間企業の資金提供などをもとに、研究施設を設置・運用できるようにしたNIIの「共同研究部門制度」によって設立。センター長はNII所長の喜連川優氏が務める。発足メンバーとしては、情報社会相関研究系准教授の水野貴之氏やコンテンツ科学研究系准教授の宮尾祐介氏などビッグデータや自然言語処理の専門家のほか、三井住友アセットマネジメントからは5名が参加。運営・研究経費などは三井住友アセットマネジメントが負担する。

三井住友アセットマネジメント代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の横山邦男氏は、「今回の取り組みは資産運用の圧倒的高度化に向けた我々の社会的使命だ。全社一丸となって、研究費用のみならず人的リソースも惜しみなく投入する」との意気込みを示した。

さらに「あらゆる社会的課題の分析が可能になることで、ESG(環境・社会・ ガバナンス)やSRI(社会的責任投資)といった投資活動を通じて社会問題の解決に貢献できると思う。金融スマートデータの共同研究が金融ビジネスにおける第4次産業革命の幕開けになると期待したい」と語った。