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実務家の目で見る国内不動産の今 金利転換期に臨む日本の不動産市場。混沌とする好材料とリスクを整理
優位性を発揮する国内不動産。デフレ脱却が飛躍のカギに
一般財団法人 日本不動産研究所
主席研究員 シニア不動産エコノミスト
吉野 薫
日系シンクタンクのリサーチ・コンサルティング部門を経て2011年より現職。国内外のマクロ経済と不動産市場に関する調査研究に従事する傍ら、大妻女子大学非常勤講師および明治大学客員研究員を兼務している。
昨今の機関投資家の不動産投資動向を振り返ると、足元ではオルタナティブ資産としての不動産投資が機関投資家の間で定着した印象を受ける。長らく日本は低金利下にあり、伝統的なアセットである債券ではリターンが生み出せない状態にあった。そんな中でも不動産は安定的なキャッシュフローを生む存在としての印象が強い。
そうした中、海外の不動産市場と比較して日本の不動産市場は優位にあると言える。成長性では新興国に劣るが、法制度や契約がきちんと拘束力を持ち、キャッシュフローを生み出す安定感は随一だからだ。また、市場規模も大きく流動性が高いことも利点と言える。
しかし、足元では国内の金利環境が変化しつつある。金利上昇の逆風下でも、国内の不動産市場が安定性を維持するために最も重要なポイントは、やはり「収益性」だろう。
この点では、明るい材料が少なくない。例えば、新型コロナウイルス禍以降の2023年まで低下基調だった東京のオフィス賃貸市場は2024年に入り、底入れする状況だ。他方、住宅についてもここ1年間で賃料は上昇傾向にある。
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