「2026年の責任投資」 戦略的自律とレジリエンスの時代【寄稿 アムンディ・ジャパン 岩永泰典氏
欧州最大の資産運用会社であるアムンディは、2026年1月14日に責任投資に関する見解(2026年版)を発表した。本レポートは、安全保障や経済的関係の再編と気候分野や技術で加速するトレンドが、今後の投資優先順位や資本配分の見直しにいかに繋がるか、その可能性を提示している。本稿では、レポートでも言及された6つのポイントから、2026年の責任投資トレンドを展望する。
岩永 泰典, PhD, CFA
アムンディ・ジャパンチーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー
2014年アムンディ・ジャパン入社、CIO兼運用本部長を務めたのち、2020年7月に日本でのチーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサーに就任。責任投資を推進するとともにスチュワードシップ活動を統括。前職のブラックロック・ジャパンではグローバル・資産戦略運用部長、取締役CIOを歴任。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールにてMBA、EDHECリスク・インスティチュートよりPhDを取得。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト。
1. クリーンエネルギー普及のボトルネックは「供給能力拡充」から「システム統合」へ
世界の電力需要は加速している。IEA(国際エネルギー機関)は2027年までに年率で約4%、約3500テラワット/時の増加を見込んでおり、その90%超が再生可能エネルギーで賄われる(※1)としている。2025年の上場企業の炭素強度は、世界的に前年比で約8%低下(※2)したが、エネルギー関連排出のピーク到達時期は依然不確実だ。
再生エネルギーのコスト競争力が高まる一方で、制約要因となる分野の軸は系統整備、供給の柔軟性、蓄電、迅速な接続に移っており、許認可制度や系統接続に関する手続き、市場ルール整備などの政策的対応が不可欠になっている。統合失敗や規制の遅れが電力料金を押し上げ、再エネ普及が滞る可能性があることから、投資家にとって、エンドユーザーがどこまで負担できるか(affordability)が、モニターすべき事項としてより重要になっている。
2. 戦略的自律の追求が招く分断化されたエネルギー事情
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。













