DC運営 基礎の基礎〜新米担当者が「ゼロ」から学ぶ 【第9回】「ターゲットイヤー・ファンド」とは?〜退職年に向け、「攻め」から「守り」へ運用を自動調整
前回の第8回では、指定運用方法つまり「日本版デフォルトファンド」について木須貴司さんから説明いただきました。その際、指定運用の有力候補として挙げられていたのが「ターゲットイヤー・ファンド」。今後の日本のDCにとって、肝となりそうです。
資産配分・リスク調整「お任せ」
「ターゲットイヤー・ファンド」、ネーミングからして興味があります。
木須 ターゲットイヤー・ファンド(Target Year Fund、以下「TYF」)とは、「将来の退職年=ターゲットイヤーに合わせて、自動的にリスクを調整してくれる」金融商品です。ターゲットデート・ファンド(Target Date Fund)、ライフサイクル・ファンド(Life Cycle Fund)と呼ばれることもあります。
たとえば、2050年ごろに60歳を迎えるなら「2050年ターゲット」のファンドを選びます。すると、若いうちは株式などの成長資産を多めに。年齢を重ねるにつれて、債券や短期資産などの安定的な資産に少しずつシフト。このように「育てる運用から守る運用」へ移行します。年齢に応じた資産配分の調整を、まとめてやってくれる仕組みです。
完全に「お任せ」できるのですか。
木須 完全ではないものの「ほぼ」お任せできると言えます。同じ「お任せ」運用でも、固定資産配分型のバランス型ファンドや、絶対収益を目指す運用商品は、加入者の状況に応じて運用が変更されるわけではありません。加入者の状況、たとえば年齢、退職までの残りの運用期間に応じたリスク調整は、加入者側で行う必要があります。そういったことに関して、TYFはより「お任せ」可能です。
完全ではない理由は?
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

















