予想外の楽観ムードの中で2025年が過ぎ去ろうとしている。来る2026年のマクロ経済はどうなるのか。機関投資家が注目すべきアセットクラスは何か。伝統的資産への投資を中心に、運用会社、運用コンサル、シンクタンクの3名の有識者に話を聞いた。
引き延ばされる景気拡大サイクル。予防的利下げは全資産に好機

グローバル運用商品部
株式マルチアセット投資戦略室長
國京 彬氏
2025年の始まりとともに始動した第2次トランプ政権は、宣言通り4月に相互関税政策を完全発動した。一時、関税高止まりによるマクロ経済への悪影響や景気後退局面入りに大きな不安が渦巻いたものの、世界経済は底堅さを保ったまま新たな年を迎えようとしている。今後はどうだろうか。
JPモルガン・アセット・マネジメント(以降、JPモルガンAM) グローバル運用商品部 株式マルチアセット投資戦略室長の國京彬氏は「景気の先行指標であるPMI(購買担当者景気指数)を見ると、国・地域に関係なく改善傾向を示しており、グローバルな経済活動モメンタムの底堅さが見られる。そこにトランプ政権による財政拡大を通じた景気刺激への期待を加味すれば、グローバル経済の焦点となる米国経済の見通しには、景気後退の兆しどころか、悲観的になる要素は少ないように見える」と楽観的だ。
同社では2026年第4四半期の米国のGDP成長率の予想を、潜在成長率をやや上回る2.2%とする。インフレ率も粘着性を示すと考えるものの、同四半期の米国の予想コアCPI(消費者物価指数)は2.6%と、やや落ち着いていく見通しを描く。
図表1は、JPモルガンAMが米国のマクロ経済、資本市場の各セクターが景気拡大サイクルのどこに位置するかを分析した結果をまとめたものだ。
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