このシリーズの前回は、不動産投資を採り上げました。第5回の今回は、その「親戚」とも言えるインフラストラクチャー投資にスポットを当てます。インフラ投資は「インフレに強い」とされて昨今、機関投資家の注目を集めています。一方で、資産の個別性が強く、投資にあたっては注意も必要のようです。その理由や背景などについて、ラッセル・インベストメントの山浦厚能さんに詳しく解説していただきます。山浦さんは2ヶ月ぶりの登場となります。

「超過利潤」が得られるか否か、そこが分かれ目

インフラと不動産は「実物資産」という点で共通していますよね。では、何が違うのか。そこがインフラ投資を理解する上での鍵となるのではないでしょうか。

山浦 阿部さん、いい所に目をつけましたね。その通りです。インフラと不動産の一番の違いは「超過利潤」が得られるか否か、にあると考えています。

少し脇道から攻めていくことにしますよ。米国の大手プラットフォーマーが最近、モバイルアプリストアを巡る反トラスト法(独占禁止法)の対象となったことはご存知ですよね。その際に「レント・シーキング(Rent Seeking)」という言葉が繰り返し使われているのです。「レント」はまさに「超過利潤」で、企業が効率的かつ競争的な市場で得られる以上に享受している利益を指します。要するに、独占したプラットフォームによって過剰な利益を追求していることが非難されているわけです。

「レント」とは、元をたどれば不動産の賃貸収入から来ています。かつては大地主が有限な不動産を占有し、富を独占していたことに由来しているわけです。もちろん、現在では様々な都市で再開発が行われ、競争が進んでいることから単に不動産を所有しているだけで超過利潤を得ることは困難です。それでも、世界の主要都市の超一等地にある不動産には稀少価値があります。高稼働を維持し、賃料も安定するため、優れたリターンが期待できます。

高い参入障壁と安定した需要

不動産に比べると、インフラにはこうした「うまみ」が乏しいということですか。

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