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知りたい!隣の企業年金・第37回 マツダ企業年金基金——ポートフォリオは「我が子」〜資産運用一筋、「成長」見守り20年
自動車メーカー、マツダの企業年金基金を訪ねました。取材させていただいた中村由佳さんの名刺には「資産運用グループ ポートフォリオマネージャー」と書かれています。各地の基金を訪れましたが、こういった肩書きの方には初めて出会いました。中村さんは資産運用一筋に約20年。この間のマツダ基金の変遷と、年金資産のポートフォリオを「我が子」のように見守ってきた中村さん自身の軌跡を伺いました。

マツダ企業年金基金の概要
- 所在地/広島市南区小磯町
- 設立年月/2005年7月
- 資産総額/2601億円
- 加入者/26113人 受給者/15151人 待期者/3909人
- 予定利率/2.0% 期待運用収益率/2.9%(報酬控除前は3.2%)
(いずれも2025年3月末現在)
歴代6人の常務理事支え続ける専門職
まず「ポートフォリオマネージャー」というのは、どういった役割なのですか。
中村 確かにあまり見ない肩書きかもしれませんね。全体像をご理解いただくために、当基金の事務局の体制からご説明しましょう。運用執行理事を兼務する常務理事の下に7人います。運用チームに私を含めて3人、年金の給付や裁定などを担当する制度チームに事務長以下4人という陣容です。運用チームは、常務理事を支える形で運用方針の企画から、個別商品の採用や解約、またリバランスやキャッシュ対応を含めた管理など、資産運用の全般を見ています。
ということは「ポートフォリオマネージャー」は、資産運用に特化した専門職という理解でよろしいですか。
中村 その通りです。私は2006年から資産運用業務に携わり、2012年から現職に就きました。お仕えした常務理事は、今月着任したばかりの豊島菊一常務理事で6人目となります。
金融危機きっかけ「負けない運用」十数年
ほぼ20年。この間のマツダ企業年金基金の運用はどのような変遷を辿ったのでしょう。
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