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MUFGが総合1位を獲得

J-MONEY2015年秋号 注目記事

第25回東京外国為替市場調査

変動の激しいランキングを制して
MUFGが総合1位を獲得

2014年9月から2015年9月の為替市場は、ドル/円、ユーロ/円ともに総じてボラティリティの高い相場が続いた。市場への影響が強い経済イベントが多くあったなかで、国内外の金融機関は顧客の要請にどのように対応し、評価されたのか。25回目を迎えた東京外国為替市場調査の結果を紹介したい。

国内銀行がトップ3を維持も
変化に富んだランキングに

 2014年9月から同年末にかけて、ドル/円、ユーロ/円ともに10円以上の安値方向へ大きく動いた。9月17日のFRB(米連邦準備理事会)による量的緩和の出口戦略の方針発表や、11月10日のロシアによる通貨バスケット制廃止に伴う変動相場制への移行など、金融市場全体に新たな対応を促すような変化が続いた影響は大きい。年が明けて、2015年の1月にはスイス国立銀行による対ユーロで設けていた1ユーロ= 1.20スイスフランの上限撤廃の発表やECB(欧州中央銀行)によるQE(量的緩和)の導入決定など、為替相場に揺さぶりをかけるようなイベントが相次いだ。その後も、ギリシャの債務問題をめぐる動きに不透明感が漂っていたこともあり、とくにユーロ/円は乱高下が続いた。

 昨年の「J-MONEY東京外国為替市場調査」を実施したときに比べ、値動きの激しい局面が多かったこの1年は、金融機関にとっても、ある意味で力を試された相場であったともいえるだろう。今回の調査結果を見てみたい。「第25回東京外国為替市場調査」には778社・機関が参加した。回答者の内訳は、事業法人577社・機関(前回比95減)、金融法人178社・機関(前回比52減)、外国為替証拠金取引会社23社(前回比3減)となる。

 為替市場全体の取引動向を調査結果に反映させるため、総合評価ランキングは2014年と同じ方法で算出した。具体的には、自己申告による月間平均取引金額10億円未満の回答は総合評価の集計に反映しないこととし(金額回答がない場合も集計に反映しない)、同10億円以上の回答者を抽出してスコアの算出を行った。

 スコアは各回答者が順位付けして選んだ金融機関を規定ポイントで計算している。なお、金額加算ランキングは、回答者による順位付け( 1位~5位)を、自己申告による月間平均取引金額に応じて配点し、計算している。配点の基準となる取引金額は、10億円未満、100億円未満、500億円未満、1000億円未満、1000億円以上の5段階。最も配点が高いのは、「取引金額1000億円以上の回答者による1位指名」となる。金額回答がない場合は集計に反映しない。

 事業法人、金融法人、外国為替証拠金取引会社による総合評価ランキングの回答を合算した「2015年 総合評価ランキング」のトップ10のうち上位3社は昨年と同様に国内銀行グループが占める結果となった。「2015年 総合評価ランキング」および事業法人投票、金融法人投票では「総合ランキング」「金額加算ランキング」ともに三菱UFJフィナンシャル・グループが1位を獲得した。同グループは部門別評価でも多くの支持を集めている。グループが投票対象に含まれない「金融情報サービス会社」「E・トレーディング・その他ECN、マルチバンク」を除いた22部門中20部門でも1位に選ばれた。3位以下については昨年8位だった野村ホールディングスは5位に、昨年10位のバークレイズも6位へと躍進し、三井住友信託銀行が初のトップ10入りを果たした。


事業法人では地銀が順位を上げ
金融法人では外資が強さを発揮

 事業法人投票では国内金融機関が上位10社のうち6社を占めた。外資系金融機関の最上位を昨年同様シティとJPモルガン・チェース銀行が争ったほか、HSBCとクレディ・アグリコルも初のトップ10入りとなった。そのほか、今回の調査では、昨年ランキング外となった地方銀行も大きく順位を伸ばしているのが特徴的だ。

 金融法人投票では、昨年3位だったJPモルガン・チェース銀行が2位に浮上した。加えて昨年の14位からランクを7つ上げトップ10入りを果たしたUBSをはじめ、HSBC、モルガン・スタンレーMUFG証券といった外資系金融機関の存在が目立つ結果となった。外国為替証拠金取引会社投票では、首位を維持し続けていたドイツ銀行グループを追い抜き、バンクオブアメリカ・メリルリンチが総合ランキング、金額加算ランキングともに1位を飾った。国内金融機関では野村ホールディングスが健闘し、昨年から5つ順位を縮め5位にランクインとなった。

三菱UFJとみずほが部門別で存在感を示す

 続いて、部門別の評価を見てみたい。今回の調査では、これまで14部門あった「通貨別ランキング」は一部を集約して9部門となる。一方で「Eトレーディング・関連サービス」は新たに海外ネットワーク部門を設けたほか、リサーチ・情報部門を2つに分けるなど部門名を一新して8部門から9部門とした。

 「通貨別ランキング」では、「オーストラリアドル」「ニュージーランドドル」では1位を独走し続けていたANZが三菱UFJフィナンシャル・グループに首位の座を譲ることとなった。同グループは新たな部門の「アジアエマージング」「その他G10」「欧州エマージング」でも1位となっている。1位の指名理由として挙げられている「プライスの良さ」とそれを支えるディーラーのスキルや充実した海外拠点網などが評価された結果だろう。国内金融機関ではみずほフィナンシャルグループが、いずれの通貨でもトップ5に入っており、同グループの総合力の高さがうかがえる。

 「フォワード・オプション取引」「Eトレーディング・関連サービス」では、これまで同様に総合ランキングで上位に入ることの多い国内メガバンク3行と外資系金融機関が名を連ねている。特筆すべきは「リサーチ・情報G10」「リサーチ情報エマージング」の1位から6位に同じ金融機関がランクインしていることだ。先進国であれば米国の利上げや欧州債務危機の動向、他方でエマージング諸国のファンダメンタルズの行方や中国経済の最新事情など、依然として先行きが不透明な金融市場を、包括的に読み解き情報提供が行えるからこそ今回の評価につながったのだろう。

評価のカギは顧客への対応姿勢

 「1位の指名理由」として最も多かった回答は「迅速で丁寧な対応」や「きめ細かいサービス」といった為替のセールス担当者がどのような対応を行うかを評価したものだった。次いで「プライスのシャープさ、レートの良さ」や「オプション取引の競争力」などの実際に金融機関から提供される為替レートに着目したもの。その後は「情報提供の頻度や量・質」、「海外ネットワーク・拠点数」、「インターネットバンキングやWEB取引のシステムの充実」の順に回答が多かった。

 取材をしたいずれの金融機関も課題として挙げているのが電子取引対応のさらなる充実だ。ある金融機関の外為担当者は「為替の電子取引というと証拠金取引に代表されるように、いまはリテールでの利用が盛んだ。だが、海外では機関投資家や事業会社による利用がますます広がっており、日本にもそうした波はやってくる」と話していた。

 他方で、別の金融機関の外為担当者は、電子取引への対応の重要性を前置きつつも「顧客の担当者と直接会って情報提供をしたり、メールやチャットではなく電話で話をしたりとアナログな手段による関係性の構築の大切さをあらためて感じている」とも語ってくれた。世界中で規制強化が進んでいる昨今、金融機関の業務にはさまざまな制限がかかってくる。そうした状況下においても、顧客から支持され続けるような金融機関であるためには、より効果的なITの活用と数字の先にある「人」をより意識したサービスの提供が求められるのかもしれない。

(注1)各ランキング内の「三菱UFJフィナンシャル・グループ」の「スコア」は、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3社のスコアを合計したもの。
(注2)「三菱UFJフィナンシャル・グループ」の「2014年順位」は、三菱京UFJ 銀行の昨年の順位とする。

お詫びと訂正

J-MONEY2015年秋号「第25回東京外国為替市場調査」特集内の52ページ「テクニカル分析ディーラー 個人別ランキング」の7位、「天辰結莉」氏は「天達泰章」氏の誤りでした。関係者および読者の皆さまには大変ご迷惑をおかけ致しました。深くお詫び申し上げます。