1848年に英国で発足以来、170年以上に渡り金融サービスを提供している、英国金融グループの一員であるイーストスプリング・インベストメンツは、アジアを中核とするグローバルな運用会社であり、資産運用残高は約30兆円に上る(2022年6月末現在)。同社を代表する3つの運用戦略について、運用部長の髙橋靖弘氏と機関投資家営業部長の藤村嘉彦氏に話を聞いた。

日本株式フォーカス・バリュー戦略──長期にわたるバリュー投資の実践

髙橋 靖弘氏
イーストスプリング・インベストメンツ
運用部長
髙橋 靖弘

同戦略の概要は。

髙橋 国内株式を投資対象とする『日本株式フォーカス・バリュー戦略』は、株式市場のゆがみをとらえて長期のアルファ(超過収益)を獲得していくために、17年以上に渡り徹底したバリュー投資を行ってきた実績を持つ運用戦略だ。

株式市場では、半導体供給不足などのニュースやサステナビリティのトレンドなど、市場自身が作り出したストーリーが各銘柄の価格変動に少なからぬ影響を及ぼしている。一方で、そうした「ショートターミズム」な価格調整は長期的な企業の成長力や利益創出力と整合しないことも多い。同戦略はこうした「ミスプライシング」をリターンの源泉とする。

藤村 当社が運用拠点を構えるシンガポールなどでは、バリュー投資を行う投資家を「Behavior Investor」と呼んでいる。同戦略は、長期的に“確信が持てる”銘柄をしっかりと見極めると同時に、市場の「過小評価」や「思い違い」といった「Behavior(行動)」を読み取ることで、アルファ獲得機会を見出そうというバリュー戦略だと言えるだろう。

同戦略は特にバリュー相場で市場をアウトパフォームする実績を残してきた。さらに2022年初来のパフォーマンスは堅調に推移している。

具体的な銘柄選定プロセスは。

髙橋 まず、TOPIX(東証株価指数)の動きと対比で見た「相対PBR(株価純資産倍率)」などの推移を過去20年ほどさかのぼりつつ、市場のバイアスなどを理由に市場評価が大きく下がっている銘柄をスクリーニングし、独自のユニバース(銘柄群)を構築することが第一歩になる。

その後、各銘柄についてリサーチを重ねるのだが、銘柄選定で一番時間をかけるのがこの部分。時には業界の専門家など第三者からの知見も交えながら、なぜそこでミスプライシングが発生したのかを深く分析・理解することが、非常に重要なプロセスになっている。

前述の通り、同戦略では“確信が持てる”と判断した銘柄を長期間保有するといったポートフォリオ構築のスタンスを取っている。そのために、財務指標などから算出される定量的なデータだけでなく、実際に投資先企業とコミュニケーションを取りながら集める定性的な判断材料も重視しながら、組み入れる銘柄を慎重に選定していく。

藤村 なお、同戦略の根幹である「ミスプライシングを超過収益に繋げる」ことを考える際、一番大きな障害は自分たち自身のバイアス(認識の偏り)である。これを避けるために、意外に重要になるのが運用チームの体制だ。

当社ではあえてセクターごとのスペシャリストなどを設置しないことで、「専門家の言うことに疑問を抱かなくなる」ことを回避するなどの工夫をしてきた。さらに、闊達な議論を呼ぶには大人数かつ階層的な組織は向かない。同戦略の運用チームは少人数かつフラットな体制としており、現在は4名の経験豊かなメンバーで構成されている。

米国投資適格社債(USIGボンド)戦略──横断的なリサーチで投資機会を逃さず

藤村 嘉彦氏
イーストスプリング・インベストメンツ
機関投資家営業部長
藤村 嘉彦

同戦略の概要は。

藤村 『USIGボンド戦略』は、主として社債を中心とした米ドル建ての投資適格債券に投資を行う。運用を担当する提携運用機関のPPMアメリカ(PPMA)が発掘した有望な個別銘柄群に分散投資することで、過度に金利リスクやデュレーションリスクを取らないポートフォリオを構築する。リスクを低減しながら安定したリターン創出が期待できる戦略だ。

パフォーマンスのカギとなるPPMAのリサーチ体制とは。

髙橋 PPMAのクレジット・アナリスト・チームは格付機関や外部のアナリストの評価に依存せず、独自の分析眼で徹底的な個別銘柄調査を行う。そのため、金利リスクやデュレーションなどの要因ではなく、信用リスクが超過リターンの主源泉となっている。結果、リスク考慮後のリターンでは優位性が発揮できている。

また、ほかの運用会社では投資適格債やハイイールド債など、債券の区分ごとに個別のチームが分析を担当するケースも多いが、PPMAの分析チームは全ての債券区分をウオッチする。例えば格下げによって投資適格から非投資適格になった「フォーリンエンジェル」や、逆に格上げによって非投資適格から投資適格になった「ライジングスター」と呼ばれる銘柄もカバーしており、格付けの変化による投資機会の拡大など、幅広いチャンスを捉える体制があることも大きな強みだ。

アジア・サステイナブル・ボンド戦略──ESGフィルターで下方リスク抑制

同戦略の概要は。

藤村 『アジア・サステイナブル・ボンド戦略』はESG(環境・社会・企業統治)視点をインテグレーション(統合)したアジア債券戦略で、アジア地域に特化した最もトラックレコードの長いものの1つだ。運用の意思決定に ESG 評価を取り入れることで、新たな投資機会の発掘とダウンサイドリスクの最小化を図っている。実際にガバナンス面で懸念のあった中国の不動産会社を投資対象から外し、その後の不動産危機を回避することもできた。

エマージング債券はリスクが高いと二の足を踏む方が多いものの、ESGのフィルターを通してスクリーニングすることで、リターンと安定感を両立した戦略と言えるだろう。

GSS(グリーンボンド/ソーシャルボンド/サステナビリティボンド)は利回りが低いイメージもあるが……。

髙橋 世界的な潮流によってアジア債券市場でもGSSの発行は増加傾向にあるが、同戦略の主力は“ESGラベル”の付いていない普通の債券だ。ラベル付きの債券かどうかに囚われず、通常の債券ユニバースからESG視点による銘柄選定を行うことで、ESGリスクを十分低減しながらも利回りの高いポートフォリオを構築できる。同様の戦略としては異例の21名もの運用チームを揃えるリサーチ体制も強みとなり、2020年の運用開始から魅力的な利回りを創出し続けている。

読者へのメッセージを。

藤村 アジア各地に運用拠点を構えるなど、アジアに特化した運用会社であるのがイーストスプリングの特徴だ。投資魅力の高い同地域の身近な話題から他社では得られないディープな情報まで、日本語で情報提供できるのも当社の付加価値と言える。今回紹介した3つの戦略を含め、今後も「一貫したポリシー・投資方針で運用するアクティブな運用戦略」を提供していきたい。

■イーストスプリング・インベントメンツの運用戦略
イーストスプリング・インベントメンツの運用戦略
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イーストスプリング・インベストメンツについて
170年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です

▶イーストスプリング・インベストメンツは、国連責任投資原則(PRI)年次評価で高い評価*を受けています。

*2020年の年次評価、「戦略&ガバナンス(Strategy&Governance)」においてA+の最高評価を獲得。

▶当社は「責任ある機関投資家」の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)の受入れを表明しています。

イーストスプリング・インベストメンツ株式会社

イーストスプリング・インベストメンツ株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
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電話:03-5224-3400(代表)
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