「運転資金ファイナンス」に注目した運用戦略に注目が集まりつつある。中でも、アリアンツ・グローバル・インベスターズが提供する『アリアンツ・ワーキング・キャピタル戦略』は、リスク・リターン特性で比肩するものがないと言われた生保一般勘定に迫る投資効率を実現する。アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン 営業本部 金融ソリューション部長の神頭大治氏に、運転資金ファイナンスや同戦略の魅力についてうかがった。

神頭 大治氏
アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン
営業本部 金融ソリューション部長
神頭 大治

「商流」を基に企業に資金提供、売掛金などを現金化

新型コロナウイルス禍やウクライナ危機などを発端に、この3年ほどは大きなボラティリティが機関投資家の安定運用のハードルを上げてきた。そんな混乱の中、新たな活路として一部の機関投資家が注目し始めているのが、「運転資金ファイナンス」運用戦略だ。

「運転資金ファイナンス」は、日本銀行などでは「商流ファイナンス」と呼ばれる。商流いわば企業どうしのビジネスにおいては、取引の段階が契約→発注→納品と進むごとに、財・サービスや情報、資金の流れが発生する。こうした過程で発生する企業の在庫、売掛金、手形などの資産を活用して金融機関が企業に運転資金を提供するのが運転資金ファイナンスだ(図表1)。

【図表1】運転資金ファイナンスの概要
運転資金ファイナンスの概要
出所:「商流ファイナンスに関するワークショップ報告書」、日本銀行金融機構局金融高度化センター、2014年2月

日本では「トレードファイナンス(貿易金融)」が近年有名になりつつあるが、これも同ファイナンスの一種と言える。

貸し手が商流のどのプロセスに依拠して融資を行うかによって、同ファイナンスにはいくつもの種別がある(図表2)。

【図表2】主な運転資金ファイナンスの種類
主な運転資金ファイナンスの種類
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例えば一例として、図表1の「仕入れ~受注」の過程に着目すると、財・サービスの売り手企業が保有する在庫を担保としたローンの形で資金提供を行う「在庫ファイナンス」や、企業がビジネスの受注を受けた時、受注書を将来収入を受け取る権利の査証と見なし、それと引き換えに資金を提供する「受注(PO=Purchase Order)ファイナンス」がある。

他方、商品が買い手の元へ渡った後の下流では、売り手企業には、財・サービスの対価を受け取る権利である「売掛金」が資産として加わる。この売掛金を担保にしたり買い取ったりする形で、売り手企業に融資を行うファイナンス手法は、「ファクタリング」や「流動化」とも呼ばれる「売掛金ファイナンス」だ。

「納品・検品」が売り手リスクと与信期間を左右する分水嶺に

これまで運転資金ファイナンスの主な貸し手は銀行であったが、近年の資本比率規制の強化なども影響し、代わりにノンバンクや投資ファンドの融資シェアが拡大している。

伝統的資産のみならず、他のオルタナティブ資産と比較してもユニークかつ魅力的なリスク・リターン特性を持っている。戦略への投資を通じて、日本の機関投資家にもフロンティアが開かれたことは、大きな可能性であると期待している。

ただし、前述のように同ファイナンスにはいくつもの種類が存在する上、融資対象とする企業の規模感や取引の内容によってもリスク・リターン特性が大きく異なってくることには注意が必要だ。例えば、新興国やフロンティアセクターの融資案件のほか、商品の貿易など「モノ」の輸送や品質管理が含まれる取引の関連案件は売り手側のクレジット・リスクが高い傾向にある。逆に、保険が付与されている案件やクレジットに高いレーティングがされているような場合は、安心感があるが、ローリスクローリターンになる。

アリアンツ・グローバル・インベスターズの運転資金ファイナンス戦略『アリアンツ・ワーキング・キャピタル戦略(ALWOCA)』は、先進国かつ大手企業の売掛金ファイナンスに注目する。

当戦略の基本方針は、なるべくリスクを抑えつつ、短期金利(3カ月Euriber)+200ベーシスポイントを目標とする安定したリターン水準を達成することだ。そのため、全体としてはミドルリスクよりもややリスクを抑えた水準に位置する“先進国かつ大手企業のクレジット”への投資を中心としている(図表3)。

【図表3】ALWOCAのポジション
ALWOCAのポジション
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リスクを低減する視点では、前述した図表1でいう「納品・検品」以降のファイナンス案件に着目することも非常に大切になる。当戦略では、同プロセスの一歩先に位置する売掛金ファイナンスを中心に、買掛金ファイナンスなどそれ以降の融資案件を主体的に組み入れ、足元でその比率を約8割としている。

この点は当戦略を理解する上でとても重要なポイントになるが、「納品・検品」を超えたということは、売り手企業から買い手企業へ財・サービスが適切に提供されたことを意味する。よって、売掛金を元に融資をした資金の貸し手側から見れば、「商品・サービスを納品できない」などの売り手企業のクレジットリスクを回避したことになる。したがって、当戦略の場合は融資相手が中小企業だったとしても、基本的には買い手企業、つまり当戦略の場合は大手企業の支払い能力がクレジットリスク管理の主な焦点となり、安心感が持てるのだ。

「納品・検品」を超えるともう1つ、満期までの期間が大幅に減少するメリットも。それ以前の在庫ファイナンスや受注ファイナンスなどは、資金回収までに財・サービスの生産・輸送・納品などの過程を待たなければならないことが多い。すると必然的に与信期間が長期化し、クレジットリスクも高まる。

財・サービスを納めた後は掛金の決済のみとなるため、基本的には短期決済。当戦略では、組み入れている全ファイナンス案件の満期までの長さを示す平均残存期間は約70日と非常に短い。短期ハイイールド債などでもデュレーションが1.5年程度あることを考えると、この期間の短さはオルタナティブ資産の中でも突出していると言えるだろう。

設定されてから約3年が経つが、当戦略は年率リターン水準が円ヘッジ後で1.6%強あるのに対して、ボラティリティが40ベーシスポイント程度に収まっている(図表4)。設定来、新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ危機の勃発などを経験したことを考えると、極めて良好な投資効率と言える。目下の市場変動の中、当戦略の安定したパフォーマンスを裏で支えてきたのが、前述のデュレーションの短さなのだ。

【図表4】投資格付け債やハイイールド債と比較したALWOCAのパフォーマンス
投資格付け債やハイイールド債と比較したALWOCAのパフォーマンス
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*アリアンツGI がローカル指数をもとに円ヘッジベースを計算
出所:各資産クラスのデータはBloombergのデータおよびアリアンツGIのデータに基づいてアリアンツGIが作成。過去実績値の測定期間:2019 年4月末を100とした2022年8月末までの実績値。ベンチマーク情報:米国投資格付け債はICE BofA US Corporate Index、欧州投資格付け 債はICE BofA Euro Corporate Index、米国ハイ・イールド債はICE BofA US High Yield Constrained Index、欧州ハイ・イールド債はICE BofA Euro High Yield Constrained Index、絶対収益型(レラティブバリュー)運用戦略はHFRI Relative Value (Total) Index、米国短期 ハイ・イールド債はICE BofA 1-3 Year BB US Cash Pay High Yield Index、バンク・ローンはS&P/LSTA Leveraged Loan Total Return Index、米国高格付け証券化商品はICE BofA AA BBB US Asset Backed Securities Index、運転資金ファイナンスはアリアンツ・ グローバル・インベスターズが提供するALWOCA運用戦略を対象。過去実績値は運用開始以来の実績値(運用報酬控除後)。
注:上記のシミュレーションは一定条件のもとに計測された想定パフォーマンスであり、将来の運用成果を示唆または保証するものではありませ ん。上記の情報および図は例示目的としたもので投資助言に相当するものでなく、かつ特定の有価証券、運用戦略、運用商品を推奨または提案す るものではありません。また上記内容は通知なしに変更される可能性があります。

特に足元では、欧米の金利上昇を受けた債券価格の下落やヘッジコストの増加などが、多くの日本の機関投資家に逆風となっている。ここで、70日程度のデュレーションしか持たない当戦略であれば、多少はクレジット価格への影響は受けるものの、すぐに高くなった金利水準をベースにした貸し出しを行うことができる。ヘッジコストが上がっても、その分リターンで吸収できるのだ。

低流動性資産に区分されながら月次の流動性を提供可能

グループ企業である信用取引保険の提供会社 アリアンツ・トレード社(旧社名、ユーラヘルメス)のケイパビリティの活用や複数のソーシング・パートナーを有していることも強みの一つだ。

ユーラヘルメスは大手から中小まで、膨大な企業のデータベースを保有している。同社のリソースを活用しながら、深いクレジット分析を行うことで、リターン獲得への信頼性を高めている。加えて、運転資金ファイナンスで安定運用を行うには、ソーシング元を分散することがとても大切なポイントになる。当戦略では15以上のソーシング・パートナーと協働して、多様な分野で魅力的な融資機会を発掘するように努めている。

『ALWOCA』は金利上昇への高い耐性を兼ね備えた安定感を特徴に持つ。引き続き不確実性が支配する運用環境の中で、“心強い安定運用の土台”となるはずだ。

前述のような当戦略の高い投資効率と安定感に注目して、日本の年金基金からは生保一般勘定の代替先として注目する向きも増えている。また、短いデュレーションは流動性の高さにも繋がっており、低流動性資産に区分されるアセットクラスながら当戦略では月次の流動性も提供している。安定したインカム収入が得られる点は、金融法人にも魅力的だろう。

近年はオルタナティブ投資の隆盛の中で、インフラデットやプライベートデットに投資する機関投資家も増えてきたが、ドライパウダー(待機資金)が積みあがっている現状もある。そうした場合に、流動性を活用して、一時的な運用先として組み入れる手もあるだろう。

このように多くの可能性がある『ALWOCA』を、多くの方に知っていただければ幸いだ。

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