プライベート・エクイティ(以下、PE)投資に関する総合サービスを手がけるアーク東短オルタナティブが、機関投資家向けに提供する「PE研修プログラム」が好評だ。今回は、デュー・デリジェンス(以下、DD)などの研修内容のサマリーを、講師のコメントとともに紹介する。受講者の希望の場所とタイミングで、PE投資の最新知識が無料で学べる同社の研修プログラムを活用して、ポートフォリオの収益性向上を図ってはいかがだろうか。

第1回
プライベート・エクイティの投資環境

古屋 武人氏
講師
代表取締役社長
古屋 武人

第1回では、PEファンドの投資概要や投資環境、パフォーマンス、日本国内におけるPEファンドの投資活動状況を紹介する。

「日本の年金基金や金融機関の方がオルタナティブ投資と聞いたとき、まずヘッジファンドを思い浮かべるかもしれません。しかし、足元のグローバルの市場規模では、ヘッジファンドが約400兆円なのに対し、プライベート投資は1000兆円以上。投資戦略別に見ると、バイアウトが3割程度と最も多く、次にベンチャーが2割弱、以下、不動産、グロース、インフラストラクチャー、ダイレクト・レンディングと続きます。投資対象地域は北米が6割、欧州とアジアが2割ずつといったイメージです」(古屋氏)

PE投資のファンド募集総額は2009年以降、2019年まで増加を継続している。ファンドサイズも大型化する中、ドライパウダー(投資待機資金)は年々積み上がっている。

「背景の1つがパフォーマンスの安定性です。全戦略のIRR(内部収益率)を分析すると、多くのPEファンドの中央値は、2008年のリーマンショック時でも10%程度のリターンを確保していると認識しています。PEは、長期安定運用が求められる資金にふさわしい投資対象と言えるでしょう」(古屋氏)

第2回 Part.1
プライベート・エクイティのデュー・デリジェンス手法

加藤 進氏
講師
ヴァイス・プレジデント
加藤 進

数あるPEファンドのうち、長期安定運用が求められる資金を託すのに足るファンドはどれか。第2回Part.1では、その見極めのカギを握るDDの手法を紹介する。

湯浅 力氏
講師
ヴァイス・プレジデント
湯浅 力

「ディールの過程にマネージャーの個性が出るバイアウトに代表されるように、PE運用ではマネージャーの選別が重要です。そのためには、いかに深くファンドのDDを行うかがポイントになります。私たちからは、『法務・コンプライアンス』『運用』『オペレーショナル』の3つのDDでチェックする項目や、契約や通知などのプロセスを含めたスケジュール感、GP(ファンド運用会社)から取り寄せる資料の種類など、研修後にすぐに使えるノウハウをお話しします」(加藤氏、湯浅氏)

■デュー・デリジェンスの全体像
デュー・デリジェンスの全体像
出所:アーク東短オルタナティブ作成
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第2回 Part.2
プライベート・エクイティの定量分析手法

玉之内 直氏
講師
取締役
玉之内 直

DDはマネージャーの「勝ちパターン」を明らかにすることと定義するアーク東短オルタナティブでは、実際のDD業務でオリジナルの定量分析を用いている。研修の第2回Part.2は、そのノウハウの一部を参加者にオープンにする注目のプログラムだ。

PEファンドのパフォーマンス評価にあたり「あるGP(ファンド運用会社)が、『当社のファンドは10年間の投資倍率が〇〇倍です』とセールスしたとしましょう。しかしPEファンドは流動性を放棄しているので、投資家は流動性のある運用に対するプレミアムをPEファンドに要求できるはずです」(玉之内氏)。

さらに、PEファンドの運用報告書の発行頻度は四半期に1度がほとんど。運用期間が10年間なら40個程度のデータしかない。これではモダンポートフォリオ理論などのセオリー通りの分析を使っても、そのファンドの実力を図ることは難しい。

「当社のDDでは、オペレーションズ・リサーチという応用数学の研究成果をベースに、階層分析法(AHP分析)を用いることで再現性の高いファンド評価を目指しています。運用戦略・チーム・市場・トラックのレコードといった、それぞれの評価項目に対する重要度を定量的に求め、検討中のファンドを『採用する』または『採用しない』に対する総合評価を行います」(玉之内氏)

第3回
プライベート・エクイティのセカンダリーマーケット(売却)

古屋 武人氏
講師
代表取締役社長
古屋 武人

研修の最後の第3回は、PE投資の「売却」がテーマだ。セカンダリーマーケットを取り巻く状況や現状の譲渡に関する課題、アーク東短オルタナティブの流動化サービスなどを説明する。

「PE投資は非流動性プレミアムが魅力なので、長期保有が前提です。しかし、銀行や保険会社の場合は資本規制ルールの影響などで、年金基金の場合は親会社の方針変更などで、予定外の中途解約を迫られる可能性があります。PE投資の売却や、セカンダリーマーケットの最新事情を理解しておくことは、先行き不透明な現代の運用担当者にとって非常に重要と言えるでしょう。アーク東短オルタナティブには豊富なマッチング実績があります。研修では具体的なケーススタディで分かりやすくご説明します」(古屋氏)

セカンダリー取引とは?
出所:アーク東短オルタナティブ作成
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■研修プログラムの特徴

  • 個別ファンドの紹介ではなく、投資環境、分析手法、売却手法などを紹介
  • プログラムは、第1回、第2回(Part.1、2)、第3回の計4コマ。研修時間は1コマ当たり2時間(目安)
  • 質問しやすいマンツーマンの研修スタイル
  • 開催場所はアーク東短オルタナティブのセミナールームのほか、ウェブ会議。現地出張は応相談
  • 研修について費用は一切発生しない

■参加者の声

  • プライベート・エクイティ投資を始めるにあたり、計4コマのプログラムによる体系だった研修のおかげで理解が一層深まりました(地方銀行 運用部門 A氏)
  • 各講師のデータに裏付けられた具体的な話を聞いて、プライベート投資に関する自分の知識が古いものであると気づきました(生命保険会社 運用部門 B氏)
  • 情報が限られたプライベート投資の世界の案内役を担っていただき感謝します。今後はニュートラルな視点で戦略を検討できます(年金基金 運用部門 C氏)

プライベート投資に関する総合サービスを提供する「アーク東短オルタナティブ」
2010年創業。主な業務内容は、①非/低流動性プロダクトの組成に際して、投資家に対する資金募集活動やIR活動をサポートする「プレースメント・エージェント業務」、②市場での取引が困難である非/低流動性プロダクトの投資持分の売却をサポートする「セカンダリー業務」、③投資家と投資一任契約を結び、非/低流動性プロダクトのポートフォリオ構築をサポートする「アセット・マネジメント業務」など。

アーク東短オルタナティブ株式会社

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