ニューバーガー・バーマン SFDR9条適合とパフォーマンスを追求する株式戦略、エンゲージメントも活用してネットゼロを目指す債券戦略
ESG投資のグローバル・リーダーとして長年の実績と高い外部評価を誇るニューバーガー・バーマン。機関投資家にとって喫緊の課題であるSFDR(サステナブルファイナンス開示規制)への対応といった知見の共有(ナレッジトランスファー)にも注力する同社の取り組みについて伺った。
ESG改善余地のある銘柄もアルファの源泉として着目
2021年の欧州機関投資家の資金流入額を見ると、SFDR8条・9条適合ファンドが優勢であった。SFDRは欧州籍ファンドに対する開示規制という位置づけではあるものの、日本の機関投資家層においてもすでに代表的な基準として認識されつつあることから、8条・9条適合の投資フレームワーク導入に伴い、SFDR適合ファンドへの投資を選択する動きが見え始めている。ESG統合度合いが最も高いのは9条に適合する戦略だが、多くの機関投資家が求める良好なパフォーマンス実績の条件を充足する戦略は数が少ないのが現状だ。
こうしたなか、9条適合1かつ良好なパフォーマンスを追求するニューバーガー・バーマンの『グローバル・サステナブル株式戦略』が注目されている。グローバル株式の集中投資アプローチで、クオリティ重視の銘柄選定を通じて、運用開始来で、競合他社比上位6パーセンタイル2に位置する優位な運用実績を持つ。
同社 取締役 投資商品本部長 マネージング ディレクターの幾嶋崇氏は、「ESG要素はあくまでもアルファの源泉の一つ」と話す。同戦略のクオリティの主な指標となるのはCFROI(キャッシュフロー投下資本収益率)と資産成長性だ。ベンチマークとするMSCI World Index対比ではどちらも大きく上回る。
一方で、ESGリスクはベンチマークを下回る。炭素強度(収益100万ドルあたりの二酸化炭素排出量)もベンチマーク対比で半分以下だ。「セクター横断的な独自のバリューチェーン分析を活用し、ESGリスクが高い銘柄は投資対象から除外するなど一定の基準は設けるものの、エンゲージメントによる定性的判断でESG面の改善などに伴うアップサイド余地がある企業はアルファの源泉として組み入れていく」(幾嶋氏)。
同社 機関投資家営業部 ヴァイス プレジデントの中塚康彦氏は、「当戦略は2004年来の長期にわたる良好かつ優位性の高いトラックレコードを有する9条適合の戦略である点に加え、CVaR(クライメート・バリュー・アット・リスク)や炭素強度などのサステナビリティ関連指標のレポーティング提供が可能な点をご評価いただいている」と明かす。
運用の知見共有においても、同社は頼もしい存在だ。「近時は金融機関の市場部門のみならず、IRや経営企画部などの部署においても、運用マネージャーがどのような視点で金融機関や事業会社のESG評価を行っているのか知りたいというご要望をいただくケースが増えている。トピックについては、運用戦略のご説明のみならず、SFDRのフレームワークや世界の機関投資家によるESG投資の動向など多岐にわたり、機関投資家様の幅広いニーズに対応させていただいている」(中塚氏)。
【図表1】『グローバル・サステナブル株式戦略』運用設定来のパフォーマンス
1. 当戦略はThe Sustainable Finance Disclosure Regulation(the “SFDR”)を全て遵守し、Article 9 SFDR Strategyに分類されています。ニューバーガー・バーマンはサステナビリティと環境・社会・ガバナンス(ESG)の推進に注力しており、投資プロセスにも組み込んでいます。
2. 出所:eVestment 2021年12月31日時点。同業他社比較情報は、Global Large Cap Core Equityグループにおけるパフォーマンスに基づきます。
3. 出所: ニューバーガー・バーマン、MSCI World Index
CVaRをエンゲージメントにも活用
近年、債券・クレジットの機関投資家の間でもESG要素組み入れのニーズが増している。ニューバーガー・バーマンでは、債券クレジット投資部門においても発行体に対して独自のESG評価や積極的なエンゲージメントを行っている。
幾嶋氏は、「2021年は債券運用部門で1500件超のエンゲージメントを実施した。このうち62%がCEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)との対話で、経営トップへのESG要素改善の働きかけを重視している。特に非上場企業の占める割合が大きいハイイールドやエマージング債券市場においては、債券保有者によるESG評価やエンゲージメントがより有効に機能しうる」と話す。
この強固なエンゲージメントのプラットフォームを活用したマルチ・クレジット運用をベースに、ポートフォリオの気候変動リスクを管理・抑制し、2050年のネットゼロ達成を目標に設定した世界初のマンデートが『気候変動考慮型マルチ・クレジット戦略』だ。同戦略は2021年7月、英国の大手公的年金の一つで、PRIリーダーズ・グループにも選出されているブルネル年金パートナーシップから12.6億ポンド(約1970億円)にのぼる運用を受託した。
【図表2】『気候変動考慮型マルチ・クレジット戦略』のネットゼロに向けたポートフォリオ運営
2050年のネット・ゼロカーボン達成については、発行体への積極的なエンゲージメントを通じて気候変動対応の改善を促す。具体的には、CVaRと炭素強度の2つの主要なデータを基に、これらを抑制した運用を追求し、中間目標として設定した2025年と2030年における達成度合いを見ながら、継続的に発行体ベース、あるいはポートフォリオレベルでモニタリングする。幾嶋氏は、「発行体ごとのCVaR値をベースに、エンゲージメント先のプライオリティ付けも行っている」と説明する。
「日本の機関投資家様からは、投資対象を投資適格社債に絞ったセパレート・アカウントでの受託実績がある」(中塚氏)。気候変動対応を前向きに検討する金融法人などからの需要はさらに高まりそうだ。
ニューバーガー・バーマンは、
気候変動への全社的な取り組みが
評価され、2020年にPRIから
リーダーズ・グループに選出
PRI署名の約2100社の運用会社のうち、
選出されたのはわずか20社(全体の1%未満)
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