マイナスの利回り資産が広がり、金融機関などの運用難が深刻化している。そんな中、「高格付け資産で利回りを確保したい」ニーズに応えて登場したのが、M&Gインベストメントの「欧州ABSシニア戦略」だ。特徴と魅力を、M&Gインベストメンツジャパン 代表取締役 兼 投資運用部長の城山太郎氏に語っていただいた。

M&Gインベストメントは、ロンドンが本社のM&G plcの欧州における資産運用を担っており、グローバルで債券、不動産、株式、マルチアセットなど幅広い業務を展開している。うちストラクチャードクレジットチームの運用資産額は約3兆1250億円、ABS特化型口座の運用資産額だけで約7500億円にのぼる(2020年7月末時点。1ユーロ=125円で換算)。

城山太郎氏
M&Gインベストメンツジャパン
代表取締役 兼 投資運用部長
城山 太郎

ABSはクレジット商品の一種で、裏付け資産は個人の住宅ローンやクレジットカードローンなどです。欧州の一般のローン利用者は、多くの日本人と同じく借入を真摯に返済する傾向が見受けられます。そのため欧州ABSは、企業向けローンを裏付けとした証券化商品とは異なり、比較的信用力が高い資産プールを持つ保守的な資産クラスといえるでしょう。

M&Gの「欧州ABSシニア戦略」は、欧州のABSの中でもシニア(最優先部分)に対象を絞った戦略であることから、投資段階ではほぼすべてがAAA格の証券。インカムは最優先で受け取り、キャピタルロスは最後という強固なストラクチャーがアピールポイントです。

世界でマイナスの利回り資産が広がる中、日本でも年金基金など機関投資家の間でイールド・ハンティング(利回り追求)の動きが強い。このニーズに応えるべく、M&Gは2020年8月、実績豊富な「欧州ABSシニア戦略」の提供を開始した。

M&Gでは、社内の低流動性資産運用に対するキャッシュ確保の目的から、2014年よりインハウスで欧州ABSシニア戦略を運用してきました。近年、「高格付け資産で利回りを確保したい」という顧客ニーズの高まりを受け、社外資金の受け入れをスタートしました。

目標収益は、短期金利プラス80~100bps(ベーシスポイント。報酬等控除前)です。実際、欧州ABSシニア戦略の社内口座向け運用では設定来で年率1.48%のリターンを確保。新型コロナウイルス感染拡大により世界中の金融マーケットが混乱した2020年も、パフォーマンスは0.5%のプラスとなっています(英ポンドベース、報酬等控除前、2020年9月末時点)。

「欧州ABSシニア戦略」はコロナ禍でも良好な利回りを確保している

一般にABSは、裏付け資産から得られるキャッシュフローを複数のトランシェ(階層)に切り分けるなど商品設計や仕組みが複雑との印象がある。加えて、2008年の世界金融危機の際に、サブプライムローンが裏付けのABSの投資価値が急落したイメージも根強い。

確かにABSは仕組みが複雑といえるでしょう。しかし、その複雑さこそが「プレミアム」として認識されてリターンの源泉となり、AAA格でも良好な利回りを享受できるのです。

世界金融危機時のABS市場については、米国と欧州の地域特性を考慮する必要があります。2008年の世界金融危機時(2008年1月~2008年12月)、および全体期間(2001年1月~2008年12月)の市場平均デフォルト率を見ると、米国ABSが約4%なのに対し、欧州ABSはわずか1%程度にとどまりました。要因としては、裏付け資産全体の信用力の高さや、トランシェの切り分けに関するスタンスが欧州は米国より保守的であることが挙げられます。このように欧州ABSは、いまだ商品特性が広く認知されておらず、一部の投資家からは敬遠されている状況です。それゆえに利回りが残されているとも言えるでしょう。

ABSは銘柄単位で性質や構造が異なるので、投資では綿密で細部にわたるクレジット分析が不可欠だ。年金基金をはじめとした長期投資家の期待に応えるには、需給が引き締まっているマーケット環境でも安易に高値を追わない規律ある投資アプローチが求められる。

M&Gには、欧州ABSに特化したポートフォリオマネージャー、クレジットアナリスト、トレーダーなど25名の投資プロフェッショナルが在籍しています。クレジットサイクルを複数経験した実績を活かし、ABS特化型口座ではこれまでデフォルトを起こしていません。

また、充実したレバレッジローンチームと不動産ファイナンスチームの存在によって、CLO(ローン担保証券)やCMBS(商業不動産担保証券)との比較も容易です。銘柄の相対価値やクレジット状況を即時判断することで、過去バリュエーション面で排除した銘柄を再評価して組み入れることも可能です。M&Gならではのファンダメンタルズ重視のバリュースタイル運用が、コロナ禍の市場においてもプラスの収益につながったと考えます。

パンデミック発生後の欧州ABSの新規発行市場では、従来以上に保守的な担保設定とストラクチャリングの銘柄が増え、より高いスプレッドで取引されているという。パブリック、プライベートの両市場をカバーしているM&Gには、今後多くの投資機会が訪れそうだ。

英国政府は2008年の世界金融危機後に実施した銀行国有化の一環として、積極的にローン担保関連資産の縮小を図っています。このような政策サポートの「無さ」をどう考えるか。

我々は、金融会社がABSを発行するインセンティブの低下によって、マーケットは間接的には下支えされることから、一部の投資家が投資機会を享受するとみています。ABS分野で長年の市場参加者であるM&Gにとっては、価格の設定やドキュメンテーション・キャピタルストラクチャーに与える影響力が向上し、より魅力的な投資が可能となるでしょう。

M&Gの欧州ABSシニア戦略では、為替リスクはヘッジされるほか、変動金利のためデュレーションリスクも限定的。日次での取引が可能と流動性も備えています。先行きが見えにくい時代における皆様のポートフォリオのインカム獲得手段に是非、お役立てください。

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