IFMインベスターズ『グローバル・インフラストラクチャー戦略』 インフレ耐性と分散を兼ね備えた再現困難な中核インフラポートフォリオ
インフレの定着や地政学リスクで不確実性が増すなか、機関投資家の資産配分においてコア・インフラの存在感が高まっている。IFMインベスターズの旗艦戦略『グローバル・インフラストラクチャー戦略』は、20年超をかけて構築されたオープンエンド型のインフラ戦略だ。その強みと成長戦略を、同社のアーロン・マクガヴァン氏と佐藤洋泰氏に聞いた。
成長続ける旗艦インフラ戦略

機関投資家営業部ディレクター
佐藤 洋泰氏
「世界的にインフレが定着するなか、国内の機関投資家の間でもインフレ連動性を備えた実物資産への関心が着実に高まっている」。IFMインベスターズ・ジャパン機関投資家営業部ディレクターの佐藤洋泰氏は、年金基金や金融法人、大学などとの対話から感じる変化をこう語る。
その受け皿として同社が提案するのが、旗艦戦略の『グローバル・インフラストラクチャー戦略』(以降、グローバルインフラ戦略、もしくは当戦略)だ。オープンエンド型インフラ投資の先駆者として30年超の経験を持つIFMインベスターズが、20年以上をかけて構築してきた世界最大級のプライベート・インフラファンドの一つだ。足元の運用資産残高は約700億米ドル、23のポートフォリオ企業を通じて60カ国に160超の資産を保有する分散したポートフォリオ構成となっている(2026年3月末時点)。
IFMインベスターズでインフラストラクチャー運用部門エグゼクティブ・ディレクターを務めるアーロン・マクガヴァン氏も、「IFMのグローバルインフラ戦略は、世界でも屈指の高品質な中核インフラ資産で構成された独自性の高いポートフォリオだ。20年以上をかけて構築してきたポートフォリオであり、今日、同様のポートフォリオを新たに構築することは極めて難しい」と強調する。「ポートフォリオ企業の2桁のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)成長が実績を支えてきた」とマクガヴァン氏が語る通り、グローバルインフラ戦略の過去10年の年率ネットリターンは11%超と、長期目標に沿った実績を積み重ねてきた。
実証された“全天候型”の強み
グローバルインフラ戦略の第一の特徴は、不確実な環境下で実証されてきたレジリエンス(強靭性)だ。複数の経済サイクルにおいて、あらゆるマクロ環境で相対的に堅調に推移し、株式並みのリターンを債券並みの低いボラティリティで実現してきた。
その安定感を支えるのが、インフレ連動性を組み込んだポートフォリオ構築だ。ポートフォリオ企業のNAV(純資産価値)の約75%がインフレ連動の価格改定メカニズムを備え、インフレ・ベータは約1倍となっている。
「例えば、投資先の1社である米国の有料道路は、コンセッション契約により、CPI(消費者物価指数)上昇率、名目GDP(国内総生産)成長率、3%のいずれか最も高い率で毎年料金を引き上げることが可能。このように、GDP成長率よりもインフレ率への感応度が高くなるよう、意図的にポートフォリオを設計している」。マクガヴァン氏はそう説明する。経済成長が鈍る一方で物価が高止まりするスタグフレーション局面でも、インフレ転嫁の仕組みと契約型・規制型資産の安定収益により、高いレジリエンスを発揮できるとみている。
分散の中身も厚い。米国最大の石油製品パイプライン、スイス最大のデータセンター事業者、豪州最大の空港など、各分野でリーディングポジションを占める資産を、公益、エネルギー、輸送、デジタルの4セクターにわたり保有。いずれも社会に不可欠なサービスを担い、高い参入障壁と安定したキャッシュフローの存在を共通項とする。またグローバルインフラ戦略は約95%をOECD(経済協力開発機構)加盟国に投資し、加重平均レバレッジ比率は33%と保守的な水準に抑えている。

積極的な価値創出も利益源泉

インフラストラクチャー運用部門
エグゼクティブ・ディレクター
アーロン・マクガヴァン氏
もっとも、当戦略は資産の値上がりを待つだけの戦略ではない。「オープンエンド型ファンドはアクティブに運用されていないという見方があるが、我々のグローバルインフラ戦略には全く当てはまらない」とマクガヴァン氏は言う。規律ある投資、積極的なアセットマネジメント、戦略的な資本再配分の3つを柱に価値創出を追求してきた。過去10年においては18件超・累計100億米ドル超の資産売却を実行し資本を再配分する一方、2025年にはアセットマネジメント施策によりポートフォリオ全体で約26億米ドルの価値を創出した。うち約21億米ドルは増収施策や拡張投資、M&Aなどの成長施策によるもので、米データセンター企業への投資案件では、開発パイプラインの拡大を通じて約13億米ドルの価値創出を実現した。
今後の成長も既存ポートフォリオが起点となる。「将来の投資機会の約80%は既存ポートフォリオの周辺に存在する。英国の空港のターミナル拡張、保有するデータセンター・プラットフォームにおける新規データセンター開発、既存資産を活用したM&Aなど、競争入札に依存しない独自の投資機会が豊富にある。グローバルインフラ戦略の最良の時期はまだこれからだ」とマクガヴァン氏は強調する。過去5年間の再投資額は約160億米ドルと、同期間の総投下資本の約50%に相当する。
こうした特性は日本の機関投資家の課題と重なると佐藤氏はみる。「インフレ下での実質リターンの確保と伝統資産のみならず他のプライベート資産との低相関は、年金基金や金融法人、大学に共通する重要なテーマだ。市場サイクルを通じてリターンとキャッシュイールドを積み上げてきたグローバルインフラ戦略は有力な選択肢になりうる」。顧客の半数超が資金効率を考慮して分配金を再投資するなど、700を超える世界の長期投資家からの支持は厚い。「グローバルインフラ戦略を通じ、長期のパートナーとして日本の機関投資家の長期的なポートフォリオ構築のお役に立てれば幸いだ」(佐藤氏)
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