DC運営 基礎の基礎〜新米担当者が「ゼロ」から学ぶ 【第6回】投資教育「できる範囲」でしっかりと〜事業主の過半数、「継続教育が課題」と認識
前回はDC運用商品の選び方について、かもめリサーチ&コンサルティング社長の木須貴司さんに伺いました。今回の第6回は、多くのDC事業主が悩みの種と考えている加入者に対する投資教育について。木須さんは「投資教育は事業主にとっての努力義務だが、多くの限界があることも確か。『できる範囲のことを、しっかりやる』ことが大事」と強調します。
加入者の資産運用を支援する責任
投資教育が大事なことは何となくわかります。法令でも実施が義務付けられているのですか。
木須 確定拠出年金法(以下、DC法)の第22条で導入時の投資教育、また継続教育いずれも努力義務と定められています。DCでは運用リスクは、加入者が負います。ただ、NISA(少額投資非課税制度)などと違い、加入者の自発的な意思で資産運用が始まるわけではありません。制度に加入すると「資産運用」しなければいけないわけです。「自己責任の制度だから放置」とはいきません。事業主には、加入者がきちんと資産運用できるよう支援する責任があります。
投資教育を行った企業は8割
具体的にはどのような内容、手法で投資教育は行われているのでしょう。
木須 投資教育の内容は
②資産運用の基礎
③ライフプラン
④運用商品
⑤加入者Webサイトの使い方
——などが提供されていることが多いようです。
投資教育の実施方法は、企業規模によって差があります。大企業では、ファイナンシャル・プランナーなどによる対面の研修やeラーニングが提供されていますが、中小企業ではなかなかそこまで余裕がない。社内のイントラネットへの資料の掲載といった対応にとどまる場合が多いようです。
あくまで努力義務なので、実施しなくても罰則があるわけではないですよね。どのくらいの企業が実施しているのですか。
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