会員限定
NPO法人学校経理研究会主催セミナー 学校法人のための資産運用戦略【その1】〜インフレと金利ある世界におけるプライベートアセットの意義〜
NPO法人学校経理研究会(理事長 小野元之・元文部科学事務次官)は2025年7月3日、「学校法人のための資産運用戦略〜インフレと金利ある世界におけるプライベートアセットの意義〜」と題したセミナーを東京都内で開催した。基調講演「長期投資家におけるプライベートエクイティの投資意義と実務上の課題」と、テーマ講演(インタビュー形式)「リアルアセット投資を通じた資産運用立国への挑戦」の2部構成。その概要を紹介する。
学校法人のための資産運用戦略【その2】記事はこちら
基調講演
長期投資家におけるプライベートエクイティの投資意義と実務上の課題

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
エグゼクティブ・ディレクター
富田 康之氏
日本政策投資銀行でオルタナティブ投資、アセットマネジメント事業の立ち上げに従事。2022年3月にJSTに参画。「大学ファンド」におけるプライベートエクイティ運用のチームヘッド
エグゼクティブ・ディレクター
富田 康之氏
日本政策投資銀行でオルタナティブ投資、アセットマネジメント事業の立ち上げに従事。2022年3月にJSTに参画。「大学ファンド」におけるプライベートエクイティ運用のチームヘッド
「10兆円ファンド」の助成は
卓越大と博士課程の学生が対象
私は今、大学ファンドいわゆる「10兆円ファンド」の運用資産の中で、プライベートエクイティ(PE)運用のチームリーダーを務めている。この10兆円は全額政府が拠出しており、約1.1兆円がエクイティ、残り約8.9兆円が財政投融資からの長期借入となっている。返済は20年間据え置きで、20年後から20年かけて返済するスキームとなっている。
運用によって得られた収益の資金配分は大きく2つ。1つは国際卓越研究大学に選定された大学への助成で、第1号として今年2025年2月、東北大学に154億円が拠出された。もう1つは博士課程の学生が対象で、これは研究開発費や生活費を含めて自由に使える資金となっている。こちらは2025年3月に167億円が拠出された。また直近、この2つに加えて海外の若手研究者等の受け入れにも、大学ファンドの資金を活用していくことが決まった。
年間3000億円の運用益と
物価上昇率プラス3%が目標
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。