2011年のディールからJ -MONEYがベストディールを決定する「ディール・オブ・ザ・イヤー」。受賞対象ディールは、金額規模や執行業務の鮮やかさ、資本市場に与えた影響、執行後のパフォーマンスといった点を基準に選考した。(J-MONEY編集部 ※ディールロジックのデータをもとに編集部作成)
M&A部門
ベストM&Aディール(OUT-IN)
テバファーマスーティカル・インダストリーズによる大洋薬品工業の買収
欧州危機の深刻化や長期化の懸念などから、海外の事業会社が日本企業を買収する動きは2010年に引き続きあまり活発ではなかった。このような時期に遂行されたM&Aは、将来を見据えた明確な事業戦略に基づいた案件といえるだろう。
その象徴が、テバファーマスーティカル・インダストリーズによる大洋薬品工業の買収である。2011年5月に、非上場企業である大洋薬品工業の発行済株式の57%を4億6000万ドルで取得することで合意。同7月には発行済株式の事実上100%を取得した。
現在の医療・製薬業界は、世界レベルのパラダイムシフトの真っただ中にある。アジアをはじめとした新興国においては経済成長による医療支出の増加、一方の先進国では財政悪化による医療費削減が急務の課題として浮上している。この双方のニーズに対する“処方せん”として注目を集めているのが、ジェネリック医薬品(先発医薬品の特許満了後に、同じ成分・効能として製造・販売される安価な医薬品)だ。
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