BNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパン 突発的なデフォルトリスクを抑制した安定運用を目指すインサイトIMの『グローバル・アグリゲート運用戦略』
債券のアクティブ運用とリスク管理ソリューションのプロフェッショナルである、BNYメロン・インベストメント・マネジメント傘下のインサイト・インベストメント・マネジメント(IM)は、足元の金利動向の不確実性を、債券・クレジット投資の好機ととらえているようだ。インサイトIM グローバル・クレジット運用責任者のアダム・ホワイトリー氏に、市場動向や注目の運用戦略について聞いた。
企業クレジットの悪化リスクを国債の安定感で補う
なぜ今が債券やクレジット投資に適したタイミングなのでしょうか。
ホワイトリー 2010年の少し前から各国の国債利回りが低下し始め、なかにはマイナスの国も現れるようになりました。また、社債投資によって得られる上乗せ金利(クレジットスプレッド)も相対的に縮小していました。ここにきてようやく、社債のインカム収入が魅力的な水準になってきており、また、金利水準が低下した場合のキャピタルゲインが期待できるようになってきたと考えています。
また、クレジットスプレッドの拡大に伴ってバリュエーションも改善されており、投資開始に適したタイミングが到来していると考えられます。債券とリスク資産の相関がより大きな負の関係に戻ってきているため、多くの運用戦略において社債への投資が伝統的な分散投資の対象としての有効性を再び発揮できるようになると考えられます。
なぜ債券投資戦略において国債と社債の両方を投資対象にすることが重要なのですか。
ホワイトリー 国債を含めた幅広い種類の債券に投資することにより、想定外に経済が悪化した際のリスク資産の価格下落による悪影響を緩和することが期待できます。経済見通しの悪化は、企業のクレジットの悪化を招く可能性がある一方で、国債の価値は維持される傾向があると考えられます。
インサイトIMの『グローバル・アグリゲート運用戦略』の特徴を教えてください。
ホワイトリー 当社は、お客様の期待に沿った、魅力的で一貫したリターンを提供することを第一に考え、クレジット戦略の方向性と銘柄選択の適切な判断を行うことに焦点を当てています。当社では、経験豊富でお客様の期待に沿った運用を心掛ける運用担当者およびアナリストを米国と英国に配置しており、それぞれの拠点が当運用戦略の主要な投資対象国の事情に精通した専門性を駆使した運用を行っています。
実績のある当社の運用プロセスを採用する『グローバル・アグリゲート運用戦略』は、過去8年のうち7年間において、主にクレジット戦略が奏功し、ベンチマークを上回るリターン (諸経費控除前、税引き前) を上げた実績があります(図表)。金利戦略は、追加的なリターンの源泉として機能するだけでなく、リスクの分散化に寄与しました。
「地雷チェックリスト」活用でクレジットの急激劣化を防ぐ
どのような点が他社の運用プロセスと異なるのですか。
ホワイトリー 当社のクレジット戦略の運用プロセスにおける大きな特徴は「地雷チェックリスト」の存在です。これは、ポートフォリオにおけるクレジットの劣化やデフォルトを抑制し、社債全般のデフォルトリスクを最小限に抑えることを目的に開発した独自の運用プロセスです。地雷チェックリストにより、ファンダメンタルズ分析だけでは把握できない、発行体のクレジットを想定外に突然悪化させるリスク要因を特定することが可能となります。流動性リスク(資金調達能力)、規制・訴訟リスク、ESG・気候変動リスク、被買収リスク、イベントリスクはその主なものです。クレジット・アナリストおよび広範なクレジット・チームがこれらのリスク要因を分析し、満足できる結果が得られないかぎり、原則として投資の対象にしません。
地雷チェックリストを活用し、信用力低下を早期に発見することで、発行体の信用力の急低下を回避できた事例は少なくなく、当投資戦略は現在までのところ、保有債券がデフォルトした事例はありません。また、独自に開発した『リスクユニット』の枠組みにより、特性の異なる様々な種類の債券に対してリスクに応じた尺度を統一する事で投資見解を運用担当者全員で共有し、投資リスクを管理しながら、投資判断の確信度に応じた適切なリスク量を配分することができるようになりました。
地雷チェックリストの事例:英国の出版社
当社は、買収される可能性が高いと判断された英国の出版社の債券をベンチマーク対比アンダーウェイトで対応しました。2022年3月に同社へのレバレッジド・バイアウトの提案が行われ、債務が急増するとの懸念から、同社の債券はベンチマークをアンダーパフォームしました。
運用するにあたり、責任投資の要素を投資判断に織り込んでいますか。
ホワイトリー 当社は、グローバル・アグリゲートを含むすべての債券運用戦略において、責任投資アプローチを採用しています。ESG要素を銘柄調査に組み込むことにより、ファンダメンタルズ分析で捕捉しきれないリスクを特定し、独自の『プライムESGスコア』や社内リサーチを通じて投資アナリストや運用担当者がより正確な情報を把握することで、個別銘柄の買い入れ、モニタリングおよび売却に関する正しい意思決定が行われることを目指しています。
『グローバル・アグリゲート運用戦略』において、どのような投資機会が訪れると考えていますか。
ホワイトリー 各国の中央銀行は、インフレ率の低下、サプライチェーンのボトルネックの緩和やコモディティ価格の下落により、柔軟に金融政策を決定することができるようになると思われます。投資適格債がもたらすインカム収入は魅力的なリターンの源泉として寄与するばかりでなく、国債利回りがさらに上昇した場合でも、その影響を緩和するバッファーとして役立つと当社は考えています。また、国債金利がピークに近いとの観測が高まり、景気後退が回避されることになれば、スプレッドが再び縮小する可能性があると考えられます。
インサイトIMは日本のお客様のニーズにどのように対応するのですか。
ホワイトリー 当社は、引き続きこれまでに培ってきたすべての投資経験、および日本の投資家の皆様が必要とする専門知識、情報、サポートを、BNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパンによる質の高い顧客サービスを通じて提供すべく尽力する所存です。
インサイト・インベストメント・マネジメント
BNYメロン・インベストメント・マネジメント傘下のインサイト・インベストメント・マネジメントは、債券のアクティブ運用とリスク管理ソリューション(主にLDI)の提供に特化した運用会社であり、運用資産残高は7,800億米ドル以上、約104兆円に上り(2022年12月31日現在、1米ドル=132.70円で換算)、米国、欧州、アジアに所在する拠点において290名の運用プロフェッショナルを擁します。年金、保険会社のお客様から委託されている資産残高は6,800億米ドルであり、その多くは債券等の運用資産です。インサイトの運用部門はフラットな組織であり、すべての社員がそれぞれの専門分野で実力を発揮することで、総合的な運用能力の向上とお客様の期待に応えることができていると考えています。
重要な情報
■本資料はインサイト社およびその運用戦略の紹介を目的として、インサイト社が作成した資料をBNYメロン・インベストメント・マネジメント・ジャパン株式会社がとりまとめた資料です。
■本資料に掲載されている情報は当社が信頼できると判断した資料に基づいておりますが、その情報の正確性、完全性、および将来の市況の変動等を保証するものではありません。
■本資料に記載された内容は本資料作成時点でのものであり、今後予告なく変更することがございます。
■本文中に紹介している運用戦略は、値動きのある有価証券などに投資し、また為替リスクもありますので、元本及び利息の保証はありません。
■本資料に記載の運用実績に関するグラフ、図表、数値その他いかなる内容も過去のものであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
■投資一任契約のご口座から直接ご負担いただく費用は最大1.575%(消費税含む)です。また、間接的にご負担いただく費用は以下の通りです。①受託銀行である信託銀行に管理報酬をお支払いいただく必要があります。②組入れ資産の売買にかかる手数料、資産を外国で保管する場合の費用等をご負担いただきます。当該費用の総額は、運用状況や取引量により変動するため、事前に具体的な料率、金額及び上限若しくはその計算式を記載することができません。③投資信託を組入れて運用する場合、当該投資信託に係る信託報酬等が別途負担となります。