来週を考える|The Week Ahead 綱引き続く地政学的情勢と資本市場2026年4月24日(金)配信号
ここ数日の地政学的情勢と資本市場の動きは、さながら綱引きの様相を呈しています。不透明な状況が長引くほど、マクロ経済データもこの渦に引きずり込まれるリスクが高まります。
地政学的な綱引き:当初、イラン政府が停戦期間中はホルムズ海峡の商船通航を再開すると発表したことで、事態は緊張緩和に傾き、原油価格は急落しました。しかし、その直後に事態は緊張状態へと逆戻りしました。再開が依然として政治的・軍事的状況次第であったためです。状況は再び変わり、この要衝の実際の通航をめぐる不透明感から、原油市場のリスクプレミアムが再び上昇しました。その結果、ブレント原油とWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の価格は日々乱高下し、株式市場は安堵感による上昇と再燃したリスク回避との間で揺れ動きました。
資本市場での綱引き:このように事態が揺れる状態は、今や支配的なパターンになっています。とりわけ株式市場では、イラン戦争とホルムズ海峡危機に新たな展開がある度に、株価の変動に直接反映されています。こうした背景を踏まえると、テクニカルな状況は慎重な様相と言わざるをえず、新たなポジションを取ることに対して誰もが消極的になっています。主要株式市場の相対力指数は中立的な様相を見せています。ここ数週間の変動の中でも主要な抵抗線は持ちこたえており、一部の指数はその水準を上抜ける動きすら見せています。S&P500種株価指数の株価収益率(PER)と、リスク指標であるボラティリティ指数VIXを比較する弊社の「ウェイトレスネス指標」は、若干落ち着きを取り戻しています。すべてが、ホルムズ海峡をめぐる綱引きが決着し、石油が滞りなく供給される方向に進むことを待っているように見受けられます。結果的に、原油価格は引き続き期待と不安の間で揺れており、その動きは、指標としてより重要な先物価格よりも現物市場で目立っています(「今週のチャート」参照)。イラン戦争勃発時と比較すると、ここ数日のブレント原油3カ月先物の相対的な安定は、驚かされるほどです。開戦前に比べればかなり高い水準に達したものの、最近はほとんど上昇していません。世界でもっとも有名な海峡の開放がごく短期間にとどまったにもかかわらずです。
原油価格とインフレ期待の上昇を除くと、システミックなストレスの兆候はほとんど見られません。金融システムの緊張度合いを示す欧州中央銀行(ECB)のシステミックストレス指標(Composite Indicator of Systemic Stress:CISS)は、概ね落ち着いているように見えます。同じことは、米国における同様の指標であるセントルイス連銀金融ストレス指数についても言えます。
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