2026年4月調査の景気リスク第1位は満票で「原油価格の高騰や高止まり」。第2位が「国際関係の緊張や軍事衝突」。

宅森 昭吉
日本経済研究センターが取りまとめている「ESPフォーキャスト調査」4月調査は2026年4月7日に公表された。調査期間は3月27日~4月1日だった。イスラエルとアメリカが、イランを空爆してから1カ月が経過した時点の調査である。ちなみに3月調査の調査期間は、3月4日~3月11日で、イラン情勢の初期の情報は入った調査結果だった。
半年から1年後にかけて景気上昇を抑えるリスク要因(3カ月毎に調査、複数回答)を尋ねる4月の特別調査では、前回1月調査で1名だった「原油価格の高騰や高止まり」が第1位で、37名全員が回答した。「国際関係の緊張や軍事衝突」が24名で第2位になった。前回1月調査で27名と第1位だった「米国景気の悪化」は19名に減少し第3位に低下した。イラン情勢が景気に及ぼすリスクが強く意識されたことがわかる結果になった。

出所:日本経済研究センター
イラン情勢が混迷を深める中、平均予測で4~6月期生産は前期比マイナスだが、GDPはプラス成長を維持。消費者物価は2%程度
日本経済研究センターが取りまとめている「ESPフォーキャスト調査」4月調査は4月7日に公表された。調査期間は3月27日~4月1日だった。イスラエルとアメリカが、イランを空爆してから1カ月が経過した時点の調査である。ちなみに3月調査の調査期間は、3月4日~3月11日で、イラン情勢の初期の情報は入った調査結果だった。
イラン情勢の影響がなかった1月調査、2月調査と平均の予測と3月調査、4月調査の四半期の予測結果を比べてみて、エコノミストの平均的見方がどう変化したかをみた。なお、40人弱のエコノミストのコンセンサス調査である「ESPフォーキャスト調査」の総平均の予測パフォーマンスを順位付けすると、2004年度から2024年度までの21年間の平均で6位、最高2位、最低10位とそれなりのパフォーマンスがあるという実績がある。
鉱工業生産指数は4~6月期に前期比-0.12%とマイナス予測に4月調査で転じた。原油はナフサをはじめ、樹脂やプラスチック、ゴムなど、多くの素材の原料に使用されているので、その価格の高騰は原材料の価格を押し上げる要因となる。さらに供給面で、原油の供給が滞るようなことがあれば、生産の停滞やサプライチェーンの混乱につながりかねない。ただし但し、7~9月期の鉱工業生産指数は前期比+0.30%と1月調査以来の+0.3%台の上昇が見込まれている。
2026年1~3月期の実質GDP成長率(前期比年率)は3月調査から変わらず、+1.48%となった。4~6月期に同+0.79%まで鈍化するが、低位8人の予測でも+0.08%とマイナスになることは予測されていない。10~12月期および27年1~3月期には+1%台まで上昇する見込みだ。
消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の前年同期比は、26年1~3月期は+1.81%と、3月調査(+1.83%)からわずかに下振れ、2%を下回る予測だ。以降、4月調査の平均予測は3月調査から0.1ポイント程度小幅上昇するが、2026年中は+2.0%前後で安定推移が予測されている。その背景となるドル円レートは26年中の各四半期で150円/ドル台で推移が見込まれる。暦年の予測値のみを聞いているWTIは平均予測で76.22ドル//バレル、高位8人の平均で87.65ドル//バレルが予測されている。
エコノミスト全員の景気判断をまとめた総合景気判断DIは、2月調査まで90台だった2026年4~6月期が4月調査で66.7まで低下したが、まだ、景気判断の分岐点の50を上回っていて、2026年7~9月期から2027年10~12月期は80台~90台の高水準で推移していて、イラン情勢のリスクを乗り越え景気拡張局面が継続するというのがエコノミストのコンセンサスだ。

出所:日本経済研究センター
ESPフォーキャスターの日銀の次の政策金利変更時期見通しの最多は2026年6月
日本銀行の2026年内の金融政策変更時期については、2月調査では、34名が「利上げ」、2名が「年内は動かない」と回答した。「利上げ」と回答した34名中、政策変更時期は2026年7月という回答が最多だった。2番目は6月の10名だった。3月調査では、34名が「利上げ」、2名が「年内は動かない」と回答した。「利上げ」と回答した34名中、政策変更時期は2026年6月という回答が13名で最多だった。
4月調査では35名が「利上げ」、2名が「年内は動かない」と回答した。「利上げ」と回答した35名中、政策変更時期は2026年6月という回答が15名で最多だった。3月調査から2名増加した。2番目は4月の12名だった。2月調査で最も多かった7月は6名で3番目に低下した。イラン情勢、原油価格急騰などから4~6月期に次の政策金利の引き上げが行われるという見通しのフォーキャスターが多い。

出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」










