学校法人・金融法人の担当者必見! 機関投資家ゼロからの資産運用 新シリーズ【さらに知りたい勘どころ】第2回 マルチ・アセット運用(後編)〜狙いは「市場リターン」の分散、マルチ・ストラテジーは別物
新シリーズ【さらに知りたい勘どころ】第2回はマルチ・アセット運用の後編です。マルチ・アセット運用の投資目的や機能、また名称が似ていて混同されやすい「マルチ・ストラテジー運用」についても解説します。ラッセル・インベストメントの金武伸治さん、今回も分かりやすくお願いします。
マルチ・アセットの投資目的は3つ
まず、マルチ・アセット運用の投資目的を伺いたいと思います。というのも機関投資家の中にはマルチ・アセット運用を積極的に組み入れて独立した資産区分としているところもあれば、逆に一切投資していない例も少なくないからです。
金武 そうですね。マルチ・アセット運用への取り組み事例には幅がありますし、ポートフォリオに組み入れる目的は、さまざまだと思います。しかし前回説明したように、投資目的によって評価方法が変わってきます。ですから、あらかじめ「なぜ、マルチ・アセット運用を組み入れるのか」、つまり投資目的や役割を設定しておくことが大切になります。
マルチ・アセット運用を組み入れる目的は【図表1】に示すように、主に3つあると考えられます。
【図表1】マルチ・アセット運用の主な投資目的
- ① 絶対リターンの獲得
- ② 投資対象の分散・拡張
- ③ ポートフォリオ全体のリスク調整機能(資産配分比率の機動的な変更)
出所:ラッセル・インベストメント作成
また、これらの投資目的を組み合わせて運用コスト控除後で予定利率を達成することや、政策アセットミックスのリターンに勝つことなどを目的とすることもあるでしょう。
高いリターン目標では株式比率が高くなる
3つの投資目的を順に解説していただけますか。
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