TMAM 学校法人資産運用セミナー【後編:パネルディスカッション】 運用人材の発掘・育成が最大の課題〜「投資」ではなく「運用管理」の専門家が必須〜
東京海上アセットマネジメント(TMAM、長澤和哉社長)は2025年9月12日、東京都内で「TMAM学校法人資産運用セミナー」を開催した。出席者を国公私立の大学の資産運用担当者に絞るという、同社としては初めてのセミナーとなった。基調講演とパネルディスカッションの2部構成。第1部では上智学院の引間雅史・財務担当理事が講演。第2部では筑波大学の野手弘一・大学執行役員CFOが加わってパネルディスカッションを行った。【後編】となる本記事では、第2部のパネルディスカッションの概要を紹介する。

引間 雅史氏(ひきま・まさふみ)
学校法人上智学院 財務担当理事
上智大学 特任教授
1979年、当時の三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。1985年に日興アセットマネジメント(現・アモーヴァ・アセットマネジメント)に入社。2002年、同社代表取締役社長。2005年、アライアンス・バーンスタイン代表取締役社長。2008年から母校の上智大学で教鞭を取る。2009年、財務顧問。2013年、財務理事補佐。2017年から経営企画担当理事として学校法人の資産運用、サステナビリティ投資を推進。2025年6月から現職。

野手 弘一氏(のて・ひろかず)
国立大学法人筑波大学 大学執行役員CFO
1983年、当時の住友銀行(現・三井住友銀行)に入行。大阪での支店勤務を経て1986年、市場部門(東京)に異動。主に為替ディーラーとしてロンドン、ニューヨークで勤務。その後、東京、シンガポールで為替、金利、デリバティブの業務推進を担当。2013年から三井住友銀行企業年金基金に移り、常務理事。2024年筑波大学に移り、現職。国際科学技術財団で資産運用委員会メンバーを務める。慶應義塾大学法学部法律学科卒業
浅野 孝氏(あさの・たかし)
東京海上アセットマネジメント 執行役員 ビジネス開発本部長
1991年、東京海上火災保険に入社。東京海上エム・シー投資顧問(現・東京海上アセットマネジメント)でエコノミスト業務、国内債券運用業務に従事。2006年から外資系運用会社で債券運用、2011年から国内系運用会社でマルチアセット運用にそれぞれ従事。2018年、東京海上アセットマネジメントに入社。運用戦略部長を経て2025年4月から現職。
浅野 本日は、国立・私立の大学法人で活躍される資産運用のプロをお招きした。最初にそれぞれの運用概況をご説明いただきたい。
資産運用は長期・短期両にらみ大学会計意識して実現益も図る
引間 上智学院では運用の目標リターンは3%、リスクは6%以内としている。ただ、教育や奨学金の原資を捻出するために毎年、実現益を1.2%から1.3%生み出す必要がある。つまり大学会計を意識して、総合収益と実現リターンの両にらみでリスク、リターンを設定することが求められている。また、基本ポートフォリオは毎年3月の理事会で決定している。
「シンプル・イズ・ベスト」ポートフォリオはGPIFに準拠
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