マニュライフ・インベストメント・マネジメント 誤解されがちな円ハイブリッド債の真価に注目。円債回帰の道を切り開く“スイッチ戦略”
金利正常化が進む中、円債回帰の投資タイミングに悩む投資家は多いのではないか。マニュライフ・インベストメント・マネジメント(以下、マニュライフIM)は、金利環境に応じて資産配分を調整する新たなスキームで、キャピタル損失を緩和しつつ安定的なインカムを実現する債券戦略を提案する。

債券運用部
シニア・ポートフォリオ・マネージャー
服部 大紀氏(写真左)
機関投資家営業部
プロダクトチーム ディレクター
野村 聖淳氏(写真右)
金利リスク資産の構成比率を段階的に高める
野村 日銀のマイナス金利解除を受けて国内金利が上昇し、ヘッジコストや為替リスクを気にせず相応のインカムを得ることが可能な国内債券への関心が高まっている。一方で、一度に大きなエクスポージャーを取ると、その後に金利がさらに上昇した場合に、キャピタルロスが拡大する恐れがある。
しかし、反対に投資のタイミングを逃して金利が低下すれば、魅力的な利回りで追加投資しづらくなる上、本来得られたはずのキャリーも逸失しかねない。このように、可能な限りキャピタルロスを避けながら、適切なタイミングで円債へのシフトを考えていく必要があるが、その見極めに悩む投資家は少なくないだろう。
マニュライフIMは円債回帰に向けたソリューションとして「リスク配分調整型回帰戦略」(通称、スイッチ戦略)を提案する。この戦略は、金利上昇に応じて段階的に金利リスク資産への配分を増やしていく(図表1)。

具体的には、投資開始時点では円ハイブリッド債に投資するクレジット特化型戦略に100%投資し、その後、あらかじめ定めた金利水準に到達するにつれて国債など流動性の高い円金利資産に投資する金利戦略への比重を高めていく(図表2)。
最終的には、金利・クレジットにバランスよく投資を行うNOMURA-BPI総合型アクティブ戦略に移行するスキームだ。

※将来の市場環境の変動等により、当該運用方針が変更される場合があります。上記の配分ルールは一例です。
厚いスプレッドが金利上昇時のキャピタル損失を緩和
服部 このスイッチ戦略の中核を担うのが、クレジット特化型戦略の投資対象となる「円ハイブリッド債」だ。円ハイブリッド債は、残余財産の弁済順位が低く、コールスキップ(期限前償還の見送り)や利払い繰延といった特有のリスクが上乗せされているため、普通社債に比べて利回りが高い傾向にある。
円ハイブリッド債は、相対的に厚めのクレジットスプレッドが収益を下支えするため、金利上昇時における価格下落リスク(キャピタルロス)を一定程度緩和する効果が期待できる。実際、足元の「円ハイブリッド債券インカム戦略」の期待リターン(年率)は3%弱であり、さらに何%の金利上昇まで損失を出さずにいられるかを示すイールドクッションは0.8%程度と、金利が一定程度上昇してもトータルではプラス収益を維持しやすい水準となった。
現在の日銀は、「金融緩和度合いの調整」を慎重に進めるというスタンスだ。追加利上げが市場に織り込まれ、金利が上昇する環境は、経済の不確実性が低く、金融市場は安定している可能性が高い。このような局面では、金利上昇で利回りが上昇した社債への需要は強まりやすく、特にスプレッドの厚いハイブリッド債に投資マネーが集まりやすい。もともとのスプレッドが厚い分、買いが入るとスプレッドは縮小しやすく文字通りのクッション性が機能する。円ハイブリッド債に追い風が吹く環境と言える。
野村 先述のスイッチ戦略のスキームを用いて、円ハイブリッド債から金利リスク資産に徐々に移行していくことで、投資家はスムーズな円債回帰を図れるだろう。なお、金利上昇をメインシナリオとしつつも、初期段階から100%債券に投資するため、金利が低下・横ばいとなる局面でも一定のキャリーと価格上昇の恩恵を享受できると見込んでいる。

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経験・分析・実行力に裏打ちされた運用の強み
服部 他方で、円ハイブリッド債には債務不履行時のリスクのほか、コールスキップや利払い繰延といった特有のリスクが上乗せされていることから「ハイブリッド債=複雑でリスクが高い」と捉えられがちな側面がある。
特に、①市場規模が小さいのではないか、②リスクが高いのではないか、③流動性が低いのではないか――といった懸念が多く聞かれる。しかし、これらの見方は必ずしも実態に即していない。その実情を説明したい。
まず① 円ハイブリッド債の市場規模は2025年時点で約27兆円と、NOMURA-BPI円建外債の約4兆円を大きく上回っており、国内社債市場において大きな存在感を持つ。
次に②リスクについて、コールスキップや利払い繰延は仕組み上可能なものの、国内公募の円ハイブリッド債では過去一度もコールスキップは発生しておらず、初回コールでの償還が慣行となっている。発行体がデフォルトに近い財務状況に陥らない限り、コールスキップのリスクは限定的と考えられる。
最後の③流動性に関しては、円ハイブリッド債は業界のトップ企業による大型発行が多く、投資家層が広いため比較的流動性が高い。このように、表面的な印象と実態には乖離があることが分かる。円ハイブリッド債は相対的に割安で投資妙味のある資産クラスと言えるだろう。
野村 マニュライフIMは、日本で公募のハイブリッド債市場が立ち上がった翌年の2016年から円ハイブリッド債に投資しており、実勢価格や流動性の把握といった高度な知見を蓄積してきた。発行体によるコール実行の蓋然性については独自の評価フレームを構築し、高度な分析とコールスキップのリスク管理を徹底している。
また、相対取引中心で価格の透明性が低いハイブリッド債市場において、豊富な取引実績と証券会社との強固な関係性を活かした高いエグゼキューション能力を有することも、当社の運用力の強みだ。円債運用受託残高は約1.8兆円、うち円ハイブリッド債への投資金額は6000億円を超える(2025年6月末時点)。円債回帰のソリューションとして、アクティブ運用、持ち切り運用、金利ヘッジ付き戦略など多様なラインアップを揃えているので、ぜひマニュライフIMにお問い合わせいただきたい。
当資料はマニュライフ・インベストメント・マネジメント・グループの運用戦略をご紹介する目的で作成したものであり、特定の金融商品を勧誘するものではありません。投資一任契約に基づく運用は、値動きがある有価証券等を投資対象としており、投資を行った有価証券等の市場における取引価格や評価価格の変動、為替の変動及び金利水準の変動等により、運用資産の価値が変動します。当初の元本額を下回ることがあり、さらに元本を超えて損失を被るおそれがあります。弊社との投資一任契約に際しお客様にご負担いただく報酬等は契約内容、運用状況等により異なるため、事前に各手数料及びその合計額等を表示することができません。投資一任契約の締結にあたっては、必ず「契約締結前交付書面」や「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に基づく重要事項説明書」等をご確認の上、お客様ご自身でご判断下さい。当資料は作成時における信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、適時性、信頼性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載された過去の実績等は将来の運用成果を約束するものではありません。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、その開発元または公表元に帰属します。
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