BNY プライベート資産普及とマクロの不確実性拡大の下、重要性を増す「アセットサービシング」の貢献
BNY(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン・コーポレーション)は2025年、日本に拠点を構えてから55周年の節目を迎える。その記念イベントに出席するため、BNYアセットサービシング部門でグローバルヘッドを務めるエミリー・ポートニー氏と、アジア太平洋&中東地域担当アセットサービシング・クライアント・カバレッジ責任者のロハン・シン氏が来日した。両氏はJ-MONEYのインタビューに応じ、機関投資家の事業拡大および一層複雑化する投資環境における業務の堅牢性維持を支援する重要性が増すアセットサービシング部門の最前線について語った。(松島海斗)

実態が見えづらいプライベート資産の“透明化”
そもそもアセットサービシングとはどういったサービスか。
ポートニー アセットサービシング(資産管理)とは、資産がどのようなファンド形態に組み込まれているかにかかわらず、機関投資家の資産に対する総合的な支援およびさまざまな処理業務全般を指す言葉だ。
よく知られているのはカストディ(資産保管・管理)業務であるが、当社ではそのほかミドルオフィス業務のアウトソーシング、ファンドレポートの作成、ファンドの管理、名義書換や、プライベート資産やETF(上場投資信託)を含むパブリック(上場)資産のデータ管理・分析ソリューションの提供など、幅広いサービスを提供している。
強調したいのは、アセットサービシングは、機関投資家が業務の本質となる投資の意思決定に集中できるよう支援するために存在するということだ。例えば、運用会社がポートフォリオの投資判断を行う場合、資産の安全を確保しつつ、ファンドのユニットが取引できるように資産価値を算出する責任を負う。こういった複雑業務を、信頼のおける、規模とレジリエンスを備えたプロバイダーにアウトソースすることで、機関投資家は本業にリソースを集中させられる。
現在、当部門は、グローバルに展開する大手ソブリン・ウェルスファンド、グローバルな資産運用会社や規模の大きな公的年金などを含む世界中の投資家から、約52兆ドル(世界の投資可能資産の20%相当)の金融資産の保管・管理を任されている。
昨今の機関投資家の動向を踏まえ、引き合いが強まっているサービスは。
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