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「ドイチェ・シューレ」を定期開催

J-MONEY2015年夏号 注目記事

ドイツ証券

外国為替の仕組みや実務・取引の勉強会
「ドイチェ・シューレ」を定期開催

ドイツ銀行グループは毎年6月、主に企業の外国為替担当者を対象に「Deutsche Schule(ドイチェ・シューレ=ドイツの学校)と名づけた勉強会を開催している。外国為替実務の基礎から分析手法、Eトレードシステムの模擬ディーリングまで実践的な内容を3日間かけてレクチャーする。同グループでは、今後も勉強会を通じて東京市場の健全な発展に貢献していく方針だ。

「為替業務の経験が浅い人」に自信をもって取引してほしい

 ドイチェ・シューレ(ドイツの学校)誕生のきっかけは顧客企業からのリクエストだった。「2007年3月にドイツ証券が外国為替営業を開始し、ドイツ銀行グループとして従来以上に東京市場にコミットする体制が整った。ご愛顧への感謝と一層のプレゼンス向上を図るため、お客様に何かご協力できないかご相談すると、『為替の勉強会を通じて知識や実務の普及を後押ししてほしい』とのご意見をいただいた」(ドイツ証券外国為替営業部長の大西知生氏)。

 そこで2007年11月にドイチェ・シューレを開講。以後毎年6月に開催し、これまでに東京で9回、大阪で6回実施した。ユニークなのは、参加対象を顧客企業の外国為替担当者のうち「為替業務の経験が浅い人」と限定している点だ。大西氏はその狙いを、「事業法人の中には為替業務に精通した人材が社内にいない企業も少なくない。4月の人事異動で為替担当になった方に対し、6月に我々の知見をわかりやすく提供することで、早い段階から為替の仕組みや市場構造を深く理解でき、自信をもって取引していただける」と説明する。

 ドイチェ・シューレの講義内容は、①必要知識を体系的に習得する「実務」②業務の道しるべとなる「分析」③Eトレードシステムの模擬ディーリングといった「体験」の3つの柱から成る。

 実務分野では、「ユーロ円はドル円とユーロドルの掛け算」「カナダ円はドル円とドルカナダの割り算」といった基礎知識から、インターバンクおよび決済システムの構造など一歩踏み込んだ内容を幅広く解説。分析分野の講義では、最近の相場動向を素材にファンダメンタルズ分析やフロー分析、テクニカル分析などの活用方法をレクチャーする。

 「参加者に最も人気が高いのが、ドイツ銀行グループのEトレードシステム『Autobahn(オートバーン)』を使った模擬ディーリングだ。実際の相場環境のもとで自らポジションを持って運用。最終日には3日間の運用で優れた成績をあげた参加者を表彰する。『相場動向が気になり夜眠れなかった』と話す参加者もいるほどのプレッシャーの中、講義で学んだ知識や分析などを駆使しながらリアルな為替市場と向き合ってもらう」(大西氏)

ドイチェ・シューレの講義風景
ドイチェ・シューレの講義風景。講師のドイツ証券チーフ為替ストラテジストの田中泰輔氏(写真左)と、挨拶をする外国為替営業部長の大西知生氏(写真右)

為替市場の第一線で活躍する講師陣の書き下ろしテキスト

 2015年のドイチェ・シューレは6月23日から25日の3日間、ドイツ銀行グループの東京オフィスで開催した。参加者は、事業法人、生命保険・損害保険、投信投資顧問、銀行、証券会社、FX(外国為替証拠金取引)会社などの約20名で、20代の若手が大半を占めた。

 講義は外国為替実務の基礎から始まり、通貨オプション、テクニカル分析、NDF取引、リスク管理、「Autobahn」の模擬ディーリングなど、理論から実践的内容までそろっている(下表)。

 このような広範囲な講義内容と並ぶドイチェ・シューレのもう一つの大きな特徴が、現在も為替市場の第一線で活躍している講師陣だ。ドイチェ・シューレの講師は、原則グループ内の関係部門における代表メンバーが務める。彼らはドイチェ・シューレのために、通常の業務と並行して自らテキストを書き下ろし、参加者に最新の為替市場のトレンドを伝える。

 「私も講師陣の一人として、毎回数十時間を費やして外国為替の“今” を盛り込んだテキストを作成する。ドイチェ・シューレは新任の外国為替担当者の学校のため、スポーツなどの新人賞と同じように、一度しか参加できない。このチャンスを有効に使っていただけるように、講師陣もそのときどきの最高のテキストのもと、最高の講義を披露する」(大西氏)

 ドイチェ・シューレでは毎回参加者アンケートを実施し、評価ポイントなどを次回に生かしている。「自分がその事象を120%理解していないと、他人には上手に説明できない。我々講師陣は、ドイチェ・シューレのテキストづくりや講義を通じて、自分の業務を見直し、再勉強する機会をもらっていると考えている。現場で実績があり、かつ講師を務めることができるタレントが豊富に在籍していることに加え、ドイチェ・シューレを日常業務のブラッシュアップに生かすサイクルが機能していることが、長続きの要因の一つではないか」(大西氏)。

他業種との人脈構築も魅力 東京市場の健全発展に貢献

 東京と大阪を合わせた過去15回のドイチェ・シューレの参加者は323人。参加者にとっては、3日間の集中講義を通じて他業種との人脈が築けるのも大きな魅力だろう。大西氏は「中には同期会を定期的に開催している回もあると聞く。その後の人事異動で別の部署になっても、為替市場に人脈があることはビジネス上大きなアドバンテージになるはず。東京市場の健全な発展のために、今後もドイチェ・シューレを継続的に開催していきたい」と語る。

 ドイチェ・シューレの卒業生の多くは、ドイツ銀行グループを有力パートナーに為替業務のスペシャリストとして活躍するだろう。将来は東京市場において「ドイチェ・シューレ人脈」が一大勢力になるかもしれない。マーケットリーダーを自負するドイツ銀行グループは、市場活性化のためにEトレードシステムなどの新規投資に積極的に取り組んでいる。人材育成のドイチェ・シューレも同グループらしいチャレンジであり、今後も注目していきたい。