MCPメザニン 企業の資金調達ニーズと機関投資家の運用ニーズをつなぐファイナンス・プレーヤーとしてメザニン・ファンドを提供
年金基金や銀行などの機関投資家の間では、中長期にわたる安定した利回り獲得が期待できるアセットとして「メザニン」に対する関心が高まっている。日本におけるメザニン・ファンドの最古参の1社であるMCPメザニンは、専門的知見と多様なソーシングルートを活用した分散型ポートフォリオを提供している。同社の実績と特徴をキーマン2人に聞いた。
2005年開始の1号ファンド以来、累計1000億円を超える投資実績
「メザニン」はラテン語で「中二階」を意味し、デット(シニア)とエクイティの中間のファイナンスと位置づけられる。企業の再生期の資本増強策や資金繰りの安定化を目的とした債務の再構築、近年は成長資金やM&A(合併・買収)の買収資金として活用されることも多い。経済状況の変化のスピードは早いが、メザニンはどのような市場環境の下でも企業の幅広い資金調達ニーズに応えつつ、機関投資家に魅力的な資産運用の機会を提供する。
このようなメザニン・ファイナンスのプロフェッショナル集団がMCPメザニンだ(図表)。「みずほフィナンシャルグループのファンド運営会社として2000年に設立されたみずほキャピタルパートナーズが前身で、2021年2月の資本構成の変更に伴い社名をMCPパートナーズとしました。同じ年の11月にメザニン・ファンド運営部門が独立して誕生したのが当社です。現在はみずほフィナンシャルグループの連結から外れ、社員は全員プロパーであるなど、独立した運営体制となっています」(MCPメザニン 代表取締役社長の宮崎直氏)。
同社は2005年運用開始の1号ファンド以来、累計1000億円を超える投資実績を持ち、資本政策、事業承継、事業再構築など多様な企業のニーズを支援している。2021年までに4本のファンドを運用、順調な投資の積み上がりと堅調なトラックレコードにより、2022年5月に後継の5号ファンドをファーストクローズした(2023年4月まで募集)。運用成果の評価指標であるIRR(内部収益率)で見ると、1号から3号までのグロスは6~12%台を実現、運用中の4号ファンドのIRRはグロスで9%台後半、ネットで7%台後半を見込んでいる。
「コーポレート型」と「バイアウト型」の2軸投資
メザニン・ファンドとしての同社の特徴は大きく2つ挙げられる。第1が、企業に直接資金提供する「コーポレート型メザニン」と、PE(プライベートエクイティ)スポンサーの投資に付随して実行する「バイアウト型メザニン」の2軸投資を標榜していることだ。
コーポレート型メザニンは、メザニン・ファンド自らが対象会社の将来性、安定性、経営者の能力などを見極め、かつ専門家のデューデリジェンスを通じて法務・財務・税務の実態を調査する必要がある。
「当社で投資に携わるプロフェッショナルは代表の宮崎を含め7名で、年内に8名体制とする予定です。現在の7名のうち4名は銀行出身で、その他2名は監査法人系FAS(ファイナンシャリー・アドバイザリー・サービス)出身の会計士、あと1名は他業界出身です。メザニンは『投資』と言いますがあくまで必ず返してもらうものですので、『融資』の基本スキルは欠かせません。コーポレート型でもバイアウト型でも同じですが、銀行の融資とは違って一定のリスクをテイクしますので、回収蓋然性を求めていくに当たっては徹底した事業キャッシュフローの分析と共に企業価値にも着目し、次のスポンサーとなる買い手候補が存在するか、銀行によるリファイナンスが可能かなどをチェックしながら投資判断していきます」(MCPメザニン 取締役マネージングディレクターの寺田正芳氏)
そして同社の第2の特徴が、業種分散の効いたポートフォリオの構築だ。短期でマクロ環境が激変する現代では、業界レベルでゲームチェンジが発生して多くの銘柄が瞬く間に“座礁資産”になり得る。
「4号ファンドまでの投資先企業を分析すると、製造業と卸・小売・飲食などの消費者向けサービスを中心に幅広いセクターに分散投資しています。銘柄の選定プロセスでは、投資期間における対象企業のビジネスモデルのサステナビリティに注目します。コーポレート型メザニンは成長資金の投入や資本増強のパターンが多く、生産設備などのアセットを有する製造業のほうがリスクを取りやすいとの背景があります。また、個人向けサービスも比較的多いのですが、これは新しい分野でいち早くビジネスモデルを確立して参入障壁が極めて高い状況にあるサブスクリプション・サービスや強固な営業基盤を有する場合は安定したキャッシュフローが見込める場合が多いからだと思います」(寺田氏)
■図表 運営実績(2022年5月末現在)
銀行やPEスポンサーなどを網羅した多様なソーシングルート
様々な業種に分散投資するリスクに見合ったアセットコントロールは、同社独自の多様なソーシング(案件発掘)ルートの賜物といえるだろう。
「私たちはメザニン・ファンドとして国内最古参の1社で、業界在籍の長いメンバーの存在で幅広いソーシングルートを確保しています。案件の引き合いは銀行やPEスポンサーがメインですが、最近はオーナー経営者とパイプを持つ公認会計士や税理士のほか、事業会社から直接持ち込まれるケースも増えてきています。みずほフィナンシャルグループとは、独立企業として戦略的提携関係を継続し、同グループの顧客ニーズに対するソリューション提供の機会を得ています」(宮崎氏)
年金基金や金融機関をはじめとした機関投資家の間では、中長期にわたる安定した利回り獲得が期待できるとしてメザニンに代表されるレンディング・アセットへの関心が高まっている。日本のメザニン市場のフロントランナーであるMCPメザニンには、LP(リミテッド・パートナーシップ)投資家からSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)への取り組みに関する照会も相次いでいるという。
企業の財務アドバイザリー機能にさらに磨きをかけ、事業会社の資金調達ニーズと機関投資家の運用ニーズをつなぐファイナンス・プレーヤーとしてMCPメザニンの存在感は今後ますます高まるだろう。
本資料は、情報提供を目的として作成されたものであり、ファンドの募集やファンドによる投融資の勧誘を行うものではありません。本資料に記載の意見・見解は本資料作成日時点のものであり、予告なく変更されることがあります。また、本資料に記載された過去の実績及び今後の予測は、今後の運用成果を保証又は示唆するものではありません。
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