ナティクシス・インベストメント・マネージャーズのリアルアセット戦略 「不動産」と「インフラ」の専門会社がインフレに強い中長期運用をサポート
欧州系のアフィリエイト型運用会社として知られるナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、傘下に専門性の高い運用会社を多く抱えている。なかでも世界的な物価上昇を受け、インフレに強いと言われる「不動産」と「インフラ」を扱う2社の注目度が高まっている。各社のキーマンに、足元の運用環境とそれぞれの資産の見通しを聞いた。
インフレは機関投資家に「2つの損害」を与える
インフレは理論上、機関投資家に2つの損害を与える。①将来のキャッシュフローの現在価値を減少させ、②事業コストの上昇と借入コストの増加で利益を減少させる。2022年春以降、米欧の中央銀行は金融引き締め政策へ舵を切った。機関投資家も、投資判断全般や資産配分決定の際にインフレリスクを考慮する必要があるといえるだろう。
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、多様な資産クラス、運用スタイル、運用形態をカバーするマルチ・アフィリエイト・アプローチを採用。傘下の20超の専門運用会社の知見と実績を顧客に紹介している。なかでもインフレに強いと言われる「不動産」と「インフラ」を得意とする2社には、世界中の機関投資家から引き合いが急増している。
都市経済学者のリサーチチームが稼働率や賃料の変化を予測
そのうちの1社が不動産投資運用会社のAEWだ。一般に不動産投資の利回りは、不動産収入(NOI)が不動産価格よりも速く成長する場合、あるいはNOIに対して不動産価格が下落する場合に上昇する傾向がある。「特に米国の不動産市場においては、金利の上昇と短期的な景気後退のリスクの高まりを受け、多くの投資家がより保守的な姿勢に転じています。このことは、これから魅力的な投資機会を生じさせると思われます。AEWは、今後のNOIと不動産価格の見通しを踏まえ、短期的にも長期的にも米国の住宅、物流、ヘルスケアといったセクターを最も有望視しています」(AEW キャピタル・マネジメント 北米地域担当最高投資責任者のマイク・バーン氏)。
同社は1981年から世界中のプライベートおよび上場不動産エクイティ/デット投資を行っている。機関投資家、地場のデベロッパー、上場または非上場の不動産会社、不動産仲介業者を含むグローバルソーシングネットワークをベースに不動産アドバイザリー事業を展開。同社の投資チームは、不動産プロフェッショナルおよび外部のサービスプロバイダーといった独自のプラットフォームを活用しながら利益を追求する。
「AEWのリサーチチームは、都市経済学者で構成され、稼働率と賃料に影響を与えうる要因の変化を理解・予測することに注力。不動産投資、運用、売却のライフサイクルのあらゆる側面で付加価値の高い意思決定の支援を行うことを使命としています。これにより、投資チームは市場環境の変化をより的確に予測し、物件レベルの運用判断や売却戦略の評価において、相対的な市場リスクをより正確に反映できます」(マイク・バーン氏)
同社の不動産投資では、厳格なリスク管理に基づく「規律性」を重視する。投資チームのメンバーは不動産投資における幅広いリスク・リターン戦略に投資を行っている。すべての買収、年次事業計画、その他の主要なポートフォリオの決定について豊富な経験を有する経営陣の専門知識を最大限に活用し、厳格な審査・承認プロセスに従う。「41年以上の経験をもつAEWは、市場サイクルを超えた投資で成功を収めていると自負しています」(マイク・バーン氏)。
CPIに連動する収入体系の欧州のブラウンフィールド案件
そしてインフレ環境下で脚光を浴びるもう1つの運用会社が、インフラ投資を手がけるヴォーバン・インフラストラクチャー・パートナーズだ。同社CEO 兼設立パートナーのグエノラ・シャンボン氏は、「特にコア・インフラ資産は、多くのケースでインフレ上昇率に対する自然なヘッジとして機能し、マクロ経済の悪化とも相関性が低く、キャッシュフローを生み出すことができます。そのため機関投資家はポートフォリオで同資産への投資配分を高めれば、長期的にインフレ動向と強い相関を有するリターンを期待できます」と語る。
同社が投資対象として注力しているのが、欧州の中規模なブラウンフィールド案件だ。特に、エネルギー移行、モビリティ、社会インフラ、デジタルインフラといった分野は足元で競争の激しさが増している大規模市場向けとは異なり、競合が少ない分野といえるだろう。実際の銘柄選択プロセスでは、「CPI(消費者物価指数)に連動する収入体系」「価格転嫁が可能なパススルー型のメカニズム」「固定金利もしくは金利をヘッジした資金調達」の3つのポイントで絞り込み、ファンド全体のインフレリスクへのエクスポージャーを低減する。
「過去10年間、欧州のコア・インフラ市場に投資することで得てきた運用チームの実績と経験は、ヴォーバンが継続して運用成果を生み出し、投資家に価値を創造することを可能にしています。当社の戦略が市場に認められ、2021年には『ヨーロピアン・インフラストラクチャ―・ファンドマネージャー・オブ・ザ・イヤー』を受賞しました」(グエノラ・シャンボン氏)
同社は責任投資家として、インフラ市場の持続可能なソリューション開発も先導してきた。投資検討段階における体系的なESG(環境・社会・企業統治)デューデリジェンスから、投資後のESGモニタリング、プロジェクト担当企業に対するエンゲージメントまで一貫した取り組みを展開。社内にはESG方針とESG戦略をモニタリングするための独立した専門チームを持つ。「私自身も2021年にUNPRI(国連責任投資原則)のインフラ諮問委員会のメンバーに任命されました。これはヴォーバンのサステナビリティへの継続的な強いコミットメントが評価されたものであると光栄に思っています」(グエノラ・シャンボン氏)。
今回紹介した「不動産」のAEWと「インフラ」のヴォーバン・インフラストラクチャー・パートナーズは、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下の専門運用会社である。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、両社を含む200を超える投資戦略を用意しており、これからも日本の機関投資家の中長期運用をサポートする。
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