日本におけるオルタナティブ専門の証券会社の草分け的な存在として2001年に創業した三井物産オルタナティブインベストメンツ。20周年を迎えた同社に、これまでの事業の振り返りやサービス提供上の理念などを聞いた。

20周年

「ポートフォリオに必要な機能」を起点にプロダクトを拡充

2001年12月に「ジャパンオルタナティブ証券」として設立後、約20年間、日本の機関投資家にサービスを提供してきた。

三井 高輝氏
三井物産オルタナティブ
インベストメンツ
代表取締役社長
三井 高輝

三井 日本のオルタナティブ投資の黎明期であった2000年代初頭から、長らくご愛顧を賜り感謝いたします。当社は「社員一人ひとりがオルタナティブ投資のスペシャリスト」を目指す会社として、お客様のニーズに合った商品や仕組みの発掘・開発・提供を行ってきました。

瀧本 2000年代当初は、オルタナティブ投資と言えば「絶対収益型」のヘッジファンドが主流でした。しかし時代を経るごとに、お客様はリスク分散効果や安定したイールドの獲得など、伝統的資産だけの投資では難しい多様なニーズを寄せるようになっていると感じます。

当社では、そうしたニーズに可能な限りのソリューションを提供するため、ヘッジファンドやプライベートデット、プライベートエクイティはもちろん、クレジット系や実物資産系に至るまで、あらゆるオルタナティブ領域で取り扱い戦略を拡充してきました。

なかでも、リスク分散と安定的なリターンを両立するプロダクトとして、足元でも根強い引き合いをいただいているのがインフラファンドです。当社では2007年と早い段階から海外インフラファンドの取り扱いを開始し、また、自社商品開発・運営、国内の太陽光発電ファンドに続いてバイオマスファンドの取り組みなど、幅広いご提案を進めてきました。

三井 市場環境をかんして、「お客様のポートフォリオに今求められている機能はなんだろうか」と考える。そこで、仮にまだ普及していないアセットクラスでも、必要だと思われる戦略への投資の道筋を見つけ、商品化して提供する。三井物産グループの「フロンティア精神」に支えられ、拡充してきたソリューションの豊富さは、当社の強みの一つです。

同様に業態の面でも、複雑化する運用環境の下でお客様のニーズにお応えするため、2006年から助言部(現・投資顧問部)を新設し、多角化に努めてきました。その成果として、国内外の様々な地域・戦略のインフラファンドのご紹介を中心に、一任業者として業界屈指の幅広いラインアップと知見・リレーションを蓄積してきました。近年ではインフラ戦略を中心にゲートキーパーサービスを推進し、お客様からの投資一任受託残高を急速に拡大しています。

丁寧な情報提供で信頼できるパートナーに

創業以来の付き合いとなった機関投資家も多いと聞く。

瀧本 文香氏
三井物産オルタナティブ
インベストメンツ
商品部長、マネージング
ディレクター
瀧本 文香

瀧本 厚みのある情報提供を通じ、信頼を寄せてくださったおかげだと思っています。オルタナティブ資産は吟味しなくてはいけない情報が複雑で、手に入れにくい場合も多い。特にプライベートアセットの場合は、定量面だけでなく市場の実態を定性的に理解することが肝要です。

当社は新たな資産クラスをご検討いただく際、そうした情報をわかりやすく、丁寧にお伝えすることを大切にしています。当社自身、投資対象の事業の仕組みや、市場環境について日頃から情報収集すると同時に、三井物産グループのネットワークも活用しています。

世界各地に拠点を有する三井物産のネットワークは、運用戦略分析や世界中の新しいオルタナティブ投資機会との出会いにも役立っています。

足下では金利上昇トレンドの発現など、不確実性の高い状況が続いており、年金基金などの機関投資家の間では対応を苦慮する声も多い。

三井 金利上昇に伴い、投資家が保有している投資適格の社債ポートフォリオは損失を被る可能性があります。そうしたなか、価格決定要素として市場金利よりも発行体信用力で決まる部分が大きいため、金利感応度が低いハイイールド債券などの投資妙味はあまり知られていません。当社では、信頼できる成長銘柄選定を土台に中小型の発行体にフォーカスしたハイイールド社債戦略をご提案しています。リスク分散と約7%の年率利回りの両立が強みです。また、投資顧問部では、競争が低く市場の非効率性ゆえに安定リターンが期待できるクレジット戦略や、景気連動性の相対的低さが期待されるインフラ戦略において、幅広く徹底した精査により、優良ファンドを発掘し、お客様のニーズに合った戦略やポートフォリオ構築をご提案してきました。これからも新しい投資機会を紹介し、お客様が難局を乗り越えるサポートをしていきたいと考えています。

■三井物産オルタナティブインベストメンツは事業・取り扱い戦略を拡充してきた

三井物産オルタナティブインベストメンツは事業・取り扱い戦略を拡充してきた
出所:三井物産オルタナティブインベストメンツ

森林・太陽光ファンド……ESGニーズを見据えた拡充も万全

今後の展望は。

瀧本 お客様へのソリューション提供という視点を重視しています。その意味では従来以上に、ハイイールド債券、バンクローンやプライベートデット、コア型実物資産など、インフレヘッジ、利回り重視の戦略を推進します。また、ESG(環境・社会・企業統治)投資への対応に一層注力する方針です。当社は早い段階から森林ファンドや太陽光発電ファンドなどの再生可能エネルギーファンドを扱ってきました。ESGへの貢献だけでなく、きちんと期待リターンを達成できるかを重視しながら、さらにラインアップを拡充する予定です。

三井 投資顧問部でも、国際連合のPRI (責任投資原則)署名を手続き中で、実務においてはESGの観点を十分に検討して投資商品を評価しています。さらにインパクト投資戦略のゲートキーパーサービスの拡充を検討しています。

J-MONEY読者へメッセージを。

三井 ニーズを先取りかつ厳選したラインアップの豊富さは当社の特色ですが、それだけではありません。専門性と機動力でお客様ごとにきめ細かにカスタマイズされたサービスを提供できます。例えば、「投資妙味があるが、まだ商品化されていない」といった場合でも、お客様の要望を受けてプラットフォーム構築をご提案できます。また、セカンダリー売却の仲介などエグジットのお手伝いも可能です。このように、オルタナティブ投資のワンストップサービスを構築しています。オルタナティブ投資でのお悩みは何でも相談いただける、そんなパートナーを目指して引き続き精進してまいります。

本資料は、お客様への情報提供を目的としており、三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社(以下「当社」といいます)による具体的な戦略等についての勧誘・募集・販売等を企図したものではありません。本資料は信頼可能と判断された情報に基づき作成されておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。一般に、運用商品は価格変動リスク、信用リスク、金利リスク、事業リスクの他、カントリーリスク、投資資産固有のリスク、レバレッジや派生商品等を用いている場合の関連市場変動リスクなど、複数の要因で投資元本を割り込み損失を被る可能性があります。戦略等に関する記載は、例示であり、詳細については目論見書等をご参照ください。当該記載内容及びその記載内容等に起因して発生した損害等につきまして、当社は一切の責任を負いかねます旨、予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

三井物産オルタナティブインベストメンツ

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