世界有数の運用会社アリアンツ・グローバル・インベスターズは2021年3月29日、2050年のカーボンニュートラルを達成するための資産運用会社の自主的なイニシアチブ「ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ(NZAMI)」への参加を表明した。同社のサステナブル&インパクト投資ヘッドのマット・クリステンセン氏に、その背景や展望を語っていただいた。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ(GI)は、世界24拠点のオフィスに730人以上の投資プロフェッショナルと600人のリレーションシップ・マネージャーを擁するグローバルな資産運用会社だ。同社は2020年から投資家の間で存在感を増しているサステナブル投資への取り組みにおいても、リーダー的役割を果たしている。

マット・クリステンセン氏
アリアンツ・グローバル・インベスターズ
サステナブル&インパクト投資ヘッド
マット・クリステンセン

当社は主に、「ESGインテグレーション」「サステナブル」「SDGアラインド」「インパクト」の4つの投資戦略の下、2020年12月31日時点で約2055億ユーロ(約25兆8930億円、1ユーロ=126円)ものサステナブル投資を行っております。

世界中で気候変動の影響が声高に叫ばれる中、当社はいち早くこの課題に取り組む必要性を感じ、2021年3月29日に「ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ(NZAMI)」への参加を決断しました。これは、資産運用会社が二酸化炭素(CO2)排出量の「ネットゼロ」を達成することに特化しているという点では、唯一のグローバル・イニシアチブです。

NZAMI参加を通じて、当社は2050年までに自社の「ネットゼロ」化を実現するだけでなく、ポートフォリオ(資産運用総額)全体においても「投資先企業のCO2排出量が2050年までに実質ゼロになることを目指す」という目標を表明しています。

NZAMIは、「気候変動に関するグローバル投資家連合」のアジア支部(AIGCC)、オセアニア支部(IGCC)、北米支部(Ceres)、ヨーロッパ支部(IIGCC)、そしてCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)と国際連合のPRI(責任投資原則)の6つの投資家ネットワークが協同で設立したのがスタートだ。

気候変動に対し国際的に活動する機関投資家が協同して課題解決するためのガイダンスである「The InvestorAgenda」もNZAMIへの支持を表明しています。

我々は、こうした投資家ネットワークを最大限活用しながら、ほかの投資家と目標達成に向けたベストプラクティス(最良慣行)やより深いデータ、科学的根拠に基づく信頼に足るアプローチや方法論などを共有し、2050年、あるいはより早い段階での目標達成を目指していきます。

社会全体の「ネットゼロ」達成のためには、アセットマネージャーが投資家や事業会社に実践を促す重要な役割を担うべきと考えています。

NZAMIのメンバーとして、お客様との対話や脱炭素化に向けた運用目標の設定、企業へのエンゲージメントやスチュワードシップ・コードの監視、政策提言など、脱炭素社会への移行を加速させるために重要な一連の取り組みにコミットしていきたいと考えています。社会の「ネットゼロ」実現は遠い目標ですが、運用会社としてその“足がかり”となる責任があると感じているのです。

一方で当社は、投資家としてだけでなく、事業会社としても脱炭素化へ注目しています。アリアンツグループでは、2012年からカーボンオフセットの活用により、100%カーボンニュートラル状態での営業を開始。アリアンツGIも、インドネシアやケニアにおける持続可能な森林プロジェクトに投資して蓄えたカーボンクレジット(CO2排出枠)を2019年に償却し、事業活動の上でやむを得ず排出したCO2を相殺。一事業会社としてもカーボンニュートラル実現に腐心しています。

アリアンツ・グローバル・インベスターズが運用するサステナブル投資戦略の一例

ESG(環境・社会・企業統治)投資をはじめとするサステナブル投資には、その成果を測るための指標やフレームワークが乱立しているのが現状だ。世界標準の「物差し」が無いことの弊害を指摘する声もある。

企業の脱炭素化へ向けた動きは非常に活発化しています。しかしながら、標準化された報告基準が無いとなると、各組織がそれぞれ独自のルールでメッセージを発してしまい、結果、全体として本来期待のできる水準のインパクトをもたらせない恐れがあります。

当社は、積極的なアクティブ投資やスチュワードシップ活動を通じて企業の脱炭素化の動きをサポートする中で、気候変動のもたらすリスクと機会について、明瞭かつ一貫性のある情報開示の重要性を痛感してきました。そこで、当社が支持しているのが、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づく情報開示です。

昨今、同提言は気候変動に関する情報開示ではグローバルスタンダードになりつつあり、政府や規制当局の間でも採用が目立つようになってきました。例えば、アリアンツGIが同提言を政策へ組み込む活動を行うテクニカル専門家グループとして名を連ねるEU(欧州連合)でも、「非財務報告指令」などがTCFD提言を採用しています。

当社自身も最初のTCFDレポートをまもなく発行します。この情報開示を通じ、各企業が我々同様に気候関連情報の開示に踏み切ってもらえると期待を寄せています。

2021年11月には、イングランドのグラスゴーでCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が開催される予定だ。グローバルの脱炭素化トレンドは、新たなステージに突入するだろう。

我々は世界中で、既に気候変動の破壊的な影響を目の当たりにしています。2015年のCOP21で締結された「パリ協定」では、世界の平均気温を産業革命以前と比較して1.5度以内に抑えるとの長期目標が掲げられましたが、その実現に向けて早急な対策が必要となっていると言えるでしょう。

NZAMIは、この「1.5度目標」を受けて、同協定が自然に進化して作られたものでもあります。その確固たる証拠として、NZAMIを通して投資家たちの1.5度目標達成への意欲は疑いようもなく明確なものになっていることがうかがえます。

COP26では、各国政府は現行の気候変動対策では目標達成に不十分であるとの現実と向き合う必要があるでしょう。その時、こうした投資家の姿勢が、より踏み込んだ目標の策定や、より正確な気候変動リスク測定のための「グローバル・カーボン・プライシング」のようなツールの導入の一助となれば幸いです。

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