ESPフォーキャスターの日銀の次の政策変更時期見通しは26年7月が最多

宅森 昭吉
日本経済研究センターが取りまとめている「ESPフォーキャスト調査」2月調査の結果が、2026年2月12日に公表された。調査期間は1月29日~2月5日で、36名から回答を得ている。
日本銀行の2026年内の金融政策変更時期については、34名が「利上げ」、2名が「年内は動かない」と回答した。「利上げ」と回答した34名中、政策変更時期は2026年7月という回答が最多だった。2番目は同年6月の10名だった。

消費者物価指数(前年同期比)は4~6月期に最も鈍化を予想
2月調査の消費者物価指数・生鮮食品除く総合の前年同期比・平均予測は、2026年1~3月期は+1.89%となった。1月調査の+1.90%とほとんど同じ見通しだった。ガソリン暫定税率廃止や電気・ガス料金補助など物価対策効果の効果が出るため、2025年10~12月期の実績+2.8%から1%台に鈍化する見通しだ。
4~6月期は+1.69%と2026年中で最も鈍化する四半期となり、7~9月期は+1.83%へと上昇するというのがコンセンサスの見通しである。7月会合で次の利上げがあるという見通しと整合的だ。

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「2026年末までに日銀は政策金利を1.0%まで引き上げ」の見通しが多数
2026年末の政策金利見通しの水準を見ると、36名中最も回答が多かった政策金利の水準が、「1.0%以上~1.1%未満」(19名)であった。0.25刻みの変更幅と考えると、1.0%への引き上げがコンセンサス予測となっている。次点が「1.2%以上~1.3%未満」(14名)で、これが2026年末で最も高い水準の見通しだ。
最も低い見通しは「0.7%以上~0.8%未満」で2名が回答した。政策金利の予測幅は現状の0.75%から最大1.25%で0.5%幅だと思われる。
2027年度の経済見通しのばらつきが、同年末政策金利見通しに反映されている
一方、「2027年末の政策金利の見通し」については、同項目を初めて聞いた1月調査に比べ、2月調査は回答に幅が出た。
2027年12月末の政策金利水準の見通しは、「1.2%以上~1.3%未満」との回答が13人で最大になっている。足元の水準と変わらない「0.7%以上~0.8%未満」と回答したハト派の人が1名、「2.0%以上」と回答したタカ派の人が1名と、やや分散した結果となっている。
あくまで想像の域を出ないが、10年国債利回りの見通しについて、「2027年度の平均」を「1.0%」と全回答者中で最低の見通しを出したフォーキャスターがいる。この人が最もハト派の回答者だろう。2027年度の平均為替レートが1ドル=130円と円高予測、名目GDP(国内総生産)成長率+0.4%、実質GDP成長率+0.7%、完全失業率2.7%、消費者物価指数+0.9%という厳しい経済見通しが前提だ。
最もタカ派の「+2.0%以上」の見通しを出したフォーキャスターを特定するのは難しいが、10年国債利回りの2027年度平均予測が3.0%、為替レートが1ドル=155円、名目GDP成長率+2.8%、実質GDP成長率+0.8%、完全失業率2.5%、消費者物価指数+2.1%という見通しのフォーキャスターがいる。
2027年度の経済見通しに大きな差があることが、2027年末の政策金利の見通しが0.75%から2.00%まで、1.25%の開きが生じる予想のボラタイルさにつながってるのかもしれない。

※2:予測値分布は金利のレンジを表す。例えば「0.7~0.8」は「0.7以上~0.8未満」の意味。
※3:最多回答数の色が濃い。
出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」から筆者作成。
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