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AIバブルは崩壊するか?

グローバルマーケット統括本部 副会長
チーフクレジットストラテジスト
チーフESGストラテジスト
中空 麻奈
日米の株価が史上最高値をつけるなど極めて堅調に推移している。しかし、図表1、2を見てほしい。スモールキャップをラージキャップで割っただけの数値だが、米国も日本もそれぞれ低下していることがわかる。この数値が低下するのは、スモールキャップが落ちている、ラージキャップが上がっている、ないしは両方が同時に起きている、の3通りしかない。つまりは、今般の場合、日米の株価を形成しているのは、一部銘柄が牽引する(ラージキャップが上がっている)ことによる偏った株価上昇である、と言うことになる。この一部銘柄の上昇がAIなどを理由にしているため、AIバブルであり、ありとあらゆる銘柄が株価を上げに来るいわゆるバブルとは別のものである、と言うわけだ。それだけに、過度な価格となればAIバブルの失速や崩壊を想起し、日米共に株価が下落方向に行きがちと言うことになる。
【図表1】 Small Cap/Large Capの推移(米国)
(RTY/NDXレシオ)
(RTY/NDXレシオ)

【図表2】 Small Cap/Large Capの推移(日本)
(TSEMOTHER/NKYレシオ)
(TSEMOTHER/NKYレシオ)

となると、問題はこのAIバブルが失速や崩壊に向かうのか、と言う事になる。私見では、AI関連を買い材料と見なさなければ、買い材料が他にない実情も手伝い、まだAIに対する強い需要が続くと見ている。ただし、この分野への期待感が急速に萎むテール・シナリオもあり得ることであり、検討しておきたい。
AI関連の楽観ムードと疑問点
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