企業とESG(環境・社会・ガバナンス)要素の改善を促す対話(エンゲージメント)を重ねることで着実なリターンを積み上げて注目を集めているのが、ニューバーガー・バーマンの『日本株式ESGエンゲージメント戦略』だ。独自の運用アプローチの狙いと、それを可能にする同社の日本拠点の特色を紹介する。

窪田 慶太氏(左)中村 エマ氏(右)

日本の中小型株式の株価上昇は「まだ1合目」

力強い株価上昇を記録する日本株式について、ニューバーガー・バーマン日本株式運用部長マネージングディレクターの窪田慶太氏はこう語る。「企業の『外』と『内』の双方から分析すると日本株式、特に中小型株式の株価上昇局面はまだ1合目とみています」。

「外」とは、「資産運用立国」構想や東京証券取引所の市場改革などを指す。政府や市場が経営層に株価上昇への意識を促す構図といえるだろう。一方、「内」として企業の自助努力を伴った内部的な変革も見られるという。そのキーワードは、消費者のセンチメント、賃金上昇の持続性、そして価格転嫁力だ。

「少子高齢化による労働需給のひっ迫により、賃金の上昇が消費者センチメントを支えています。現在は、企業にとって製品やサービスの価格を上げて業績を拡大するチャンスです。しかし、価格転嫁力は市場シェアや商品開発力、ブランドなど企業によって大きく異なります。すべての企業がインフレ環境下で十分な価格転嫁を実行し、政府や市場の期待に応えながら『売上増→成長→株価上昇……』の好循環を持続的に実現できるわけではありません。日本株式に久しぶりに吹く追い風を長期の運用パフォーマンスに反映するには、市場全体に投資するインデックス運用より、投資銘柄を選別するアクティブ運用がふさわしいと考えます」(窪田氏)

グローバルの知見を活用し企業の持続的な成長を促す

ニューバーガー・バーマンの『日本株式ESGエンゲージメント戦略』は、徹底したボトムアップ・アプローチで企業の本源的価値をスコア化し、ポートフォリオを構築する。さらに他社のアクティブ運用戦略との大きな違いは、運用チームがESG評価を行っていることであり、株価への寄与が高い企業にESG要素の改善を促す継続的なエンゲージメントを実践し、市場が気づいていない企業の成長力を引き出す手法にある。

「価格決定力の源泉は事業のファンダメンタルズにあり、企業の持続的な成長を担保するにはカバナンスが重要です。リスクマネジメントの観点からも、品質管理、セキュリティ、人材管理などは重要で、企業のレピュテーションリスクにも関わります。当社の見解や知見をエンゲージメント先の企業に付加価値として提供して持続的な成長を促し、投資判断においては企業にROE(自己資本利益率)の改善や変革の意思の有無を見極めています」(窪田氏)

例えば、ある組入銘柄は「親子上場」という理由で市場から経営の独立性が低いとみなされ、株価は本源的価値から割安に放置されていた。窪田氏らはエンゲージメントを通じ、社外取締役を増やしてガバナンスの透明性を高めるとともに、親会社への貸付を株主還元に回す施策を提言した。別の組入銘柄には、グループの象徴ながら赤字体質の子会社を思い切って売却する財務体質強化策を支援した。ニューバーガー・バーマンのエンゲージメントは、経営陣がガバナンス改革や事業の「選択と集中」に踏み切り、新しい成長ストーリーを歩み続けるように伴走するプロセスともいえるだろう。

『日本株式ESGエンゲージメント戦略』ではグループのグローバル・プラットフォームを活用する。日本株式運用部のメンバーが、グローバル株式調査部門に属する54名のリサーチ・アナリストの知見を活用して候補企業を発掘。エンゲージメントでは、世界のサステナブル投資の潮流をウオッチしている25名の専任ESG投資プロフェッショナルから得た最新の知見に基づき、重要なアジェンダを企業経営陣と共有。企業側がアクションプランを遂行し、アジェンダの改善目標を達成することで株式市場での評価が高まる。

「『日本株式ESGエンゲージメント戦略』の運用開始以来の年率リターンは14.1%と、ベンチマークであるMSCIジャパン小型株指数の7.7%を上回っています。エンゲージメントを活用して真に成長力のある日本企業を厳選投資する当戦略のアプローチは、幅広い投資家の皆様のお役に立つと自負しています」(窪田氏)

パフォーマンス実績(2020年1月~2023年12月)

新たな付加価値を生み出すカスタマイズ型のサービス

この『日本株式ESGエンゲージメント戦略』の運用を担当する日本株式運用部は、ニューバーガー・バーマンの日本拠点に在籍する。ニューバーガー・バーマンは、日本では2004年から機関投資家に運用サービスの提供を開始し、2008年には東アジア地域の統括拠点として東京に日本法人を立ち上げた。以来、日本の顧客の多様な運用ニーズに応えるため、グループがグローバルに展開しているプライベート・エクイティなど様々な運用戦略を提案。2024年1月末時点において、日本法人の受託資産残高は10兆円を超える。

「私たちは『高度化するご要望やご期待にお応えしたい』との信念を共有し、全担当者がお客様を第一に考えたクオリティの高い運用サービスのご提供を追求しています」(ニューバーガー・バーマン機関投資家営業部シニアヴァイスプレジデントの中村エマ氏)

投資後の日本語でのレポーティングのほか、トレーニング・プログラムの提供やセミナーや勉強会を通じた最新の市場見通しなど情報提供に力を入れている。ニューヨークとシカゴの運用拠点には日本人が在籍し、ジャパン・デスクとして日本と海外の運用拠点の橋渡しを担当。顧客の要望や質問はジャパン・デスクを通じて、細かなニュアンスまで的確に現地の運用チームに伝える。

「私たちは日本のお客様のそれぞれのご要望にしっかり応えられる柔軟な体制を整えています。既存の運用戦略をご提案するだけでなく、日々のコミュニケーションからお客様が考える投資アイデアや課題を引き出し、それを実現・解決していくカスタマイズ型の運用ソリューションを提供するなど、新たな付加価値を生み出していくことにも注力しています」(中村氏)

日本市場に深くコミットしたグローバルな運用会社として、長年の運用経験と実績を背景に、顧客のニーズをとらえた投資機会を提案してきたニューバーガー・バーマン。アクティブな長期投資家として、運用パフォーマンスのみならず、資本市場のサステナビリティや日本社会全体へも貢献していきたいと考えている。

上記は別途記載がない限り2024年1月末時点のものであり、今後予告なく変更される可能性があります。
当資料はニューバーガー・バーマン株式会社が運用戦略をご紹介する目的で作成したものであり、特定の金融商品を勧誘するものではありません。ご投資にあたっては契約締結前交付書面等の内容を十分にご確認ください。当資料は当社の許可なく複製・転用することはできません。過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。当資料は作成時点において信頼できると思われる情報に基づき作成されていますが、その正確性及び完全性を保証するものではありません。また当資料に含まれる情報は作成時点のものであり、予告なく変更されることがあります。
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    ニューバーガー・バーマン株式会社
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金融商品取引業者: 関東財務局長(金商)第2094号
加入協会: 一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

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