為替取引のサービスを提供するFXSpotStream(FXスポットストリーム)では、手数料体系の変更によるLP(リクイディティプロバイダー=為替レートを提示する銀行など)の追加や、取引システムのリニューアルを通じて、さらなる利便性の向上を目指している。アジア・パシフィック地域でセールスを担当するキャンベル・クレーランド氏と森宗一郎氏に、同社の為替サービスの特徴や強みについて話を聞いた。

FXSpotStream
FXSpotStream
アジア・パシフィック セールス責任者
クレーランド・キャンベル氏(写真右奥)
アジア・パシフィック セールス
森 宗一郎氏(写真左奥)

LPの手数料体系を変更。数年内に5社の銀行が追加予定

FXSpotStreamが提供しているサービスとは?

キャンベル FXSpotStreamは2011年12月に誕生した、FX(外国為替)のサービスです。設立の目的は、お客さまに対して効率的かつ透明性が高く、コストを抑えた為替取引の環境を提供することです。設立当初のLPは6社でしたが、現在では15のLPと、FXSpotStreamのサービスを通じて接続が可能です。

クレーランド・キャンベル氏
「FXSpotStreamでは効率的かつ透明性が高く、コストを抑えた為替取引の環境をお客さまに提供します」(キャンベル氏)

お客さまに対しては、FXSpotStreamを介して自社のシステムとLPを接続できるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)と、ブラウザー上で各LPのアルゴリズムに簡単にアクセスできるGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)の、2種類のサービスを提供しています。

FXSpotStreamのサービス画面
FXSpotStreamは、現時点で15のLPと接続できる為替取引サービスを運営。APIとGUIの2種類のサービスを提供している

手数料体系の変更と、その狙いについて教えてください。

キャンベル LPに対しては、従来は決まった固定費を毎月払っていただくという単一の手数料体系のみでした。取引量が多いLPにとっては問題ないのですが、新たにFXSpotStreamへの接続を検討する銀行にとっては、取引量が一定量に達するまでは手数料の負担が相対的に重くなってしまいます。そこで、LPにとっての参入障壁を低くするために、取引量に応じて手数料が変動する新たな料金体系を導入しました。

この変更により、2023年には新たに数社のLP、翌2024年末までに合計5社が加わる予定です。お客さまにおいてはより多くの取引先を選択できるようになります。

 新たに追加されるLPについて、お客さまはこれまでFXSpotStreamとは別で接続する必要がありましたが、これらの取引をすべてFXSpotStreamに集約できるようになります。お客さまにとっては、各LPとの接続にかかる開発・更新費やランニングコストの圧縮につながるうえ、PC画面上での操作もシンプルになるメリットがあります。LPにとっても取引コストを下げられる効果が期待できます。

LPが増えれば、お客さまにとってはプライスやシステム面などで、より自社に合った取引先を選びやすくなります。もちろん、LPが増えることでお客さまの追加負担はございません。

森 宗一郎氏
「LPが増えることで、お客さまはより自社に合った取引先を選べるようになります」(森氏)

低遅延で約定率を向上。GUIの機能も強化

このほか、FXSpotStreamのシステムの改善点について教えてください。

キャンベル 現在「ULL」(超低遅延)というプロジェクトを進めています。FXSpotStreamのシステムは12年前に開発したものですが、それが大幅にリニューアルされ、パフォーマンスが向上します。

大きな改善点はレイテンシー(遅延時間)の短縮です。マーケットデータを数ミリ秒から100マイクロ秒以下のレイテンシーで、お客さまにお届けできるようになります。注文のスピードも速くなり、約定率がさらに上がることが期待されます。

現時点ではニューヨークで約4割、ロンドンでは5割ほどが新システムに切り替わっております。日本では新型コロナウイルスの影響もあり、欧米に比べて対応が遅れていましたが、ようやく数社が切り替わってきております。これから順次置き換えを進めていきたいと考えています。

 GUIの機能も強化していきます。例えば、トレードファイルをアップロードするとそれに合わせてプライスの一覧が表示され、ワンクリックでまとめて取引ができる機能を追加します。これまでは個々の取引を手入力で行う必要があり、ミスも発生しやすかったのですが、新機能の追加によって使い勝手が向上します。

キャンベル FXSpotStreamは2023年1月に社内の体制が変わり、暫定CEOにTom San Pietroが就任しました。長年にわたり為替取引のシステム開発に携わってきたため、ユーザー目線でのサービスの改善や機能の強化が実現できると考えています。

FXSpotStreamの取引ボリュームは年々増加を続けている
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手数料と透明性に自信。万全のサポート体制

FXSpotStreamの強みとは何でしょうか。今後、どんな企業にFXSpotStreamのサービスを利用してほしいと考えていますか。

キャンベル 最大の強みは手数料だと考えています。我々がお客さまに取引手数料を請求することはありません。FXSpotStreamの仕組みでは、基本的にLP側において固定金額で提供しているため、お客さまの取引高が増加すれば実質的にコストが下がることになり、ひいてはお客様に提供する価格もより競争力が高まることになります。さらに、FXSpotStreamが提示するプライスが事前にどのLPのものかを確認できるなど、プライスの透明性も確保されています。

GUIの機能の充実も、お客さまのコストダウンや利便性につながります。APIではLPのアルゴごとに開発が必要になりますが、FXSpotStreamのGUIはすべてのLPのアルゴに対応しています。日本におけるFXSpotStreamのお客さまは証拠金取引会社や大手金融機関がメインでしたが、利用する際の負荷が小さいGUIは、為替取引プラットフォームをハードルが高いと感じていた事業会社にとっても使いやすいのではないかと思います。実際に、欧米では多くの事業会社がFXSpotStreamのサービスを利用しています。

FXSpotStreamのGUI
すべてのLPのアルゴに対応しているFXSpotStreamのGUI

 GUIであればシステム開発が不要なので、お申し込みから1か月以内で取引を開始できます。

サポート体制もFXSpotStreamの強みです。日本国内はもちろん、ロンドン・ニューヨークと24時間連携のサポート体制があります。そして日本語サポートについても、東京やロンドンはすでに対応済みですが、近々ニューヨークにも人員を配置する予定ですので、24時間日本語でもサポートが可能となります。

2022年以降、マーケットのボラティリティが高まりやすい状況が続いています。そんな状況だからこそ、複数のLPと低コストで接続でき、柔軟な対応が可能なFXSpotStreamをぜひ検討していただければと思います。

FXSpotStreamの東京チーム
FXSpotStreamの東京チーム